日野プロフィア《写真提供 日野自動車》

日野自動車は、4月1日からトラックやバスなどの重量車が新しいJH25モードに基づく燃費試験法での燃費を、カタログに表示する対応が遅れると発表した。

4月1日以降に出荷する車両は、JH25モードで試験した燃費値を申請し認可を得た上で、カタログに記載することが、エネルギー使用の合理化等に関する法律で定められている。

日野は、エンジン認証試験の不正問題の対応による開発スケジュールの変更などで、JH25モードでの燃費測定と申請業務が遅れており、4月以降に出荷する重量車のカタログの表示変更ができない見通し。

対象は大型トラック『プロフィア』(A09Cエンジン搭載車)、中型トラック『レンジャー』(A05C尿素水SCRエンジン搭載車、小型トラック『デュトロ』、大型観光バス『セレガ』(A05C尿素SCRエンジン搭載車)、小型バス『ポンチョ』など。日野がトヨタ自動車に供給している小型トラック『ダイナ』やいすゞ自動車に供給しているバスの『ガーラ』などの一部モデルも対象となる。

日野は今後、JH25モードでの燃費表示に向けた対応を急ぐ方針で、9月頃までをめどに順次対応していく見込み。それまでの間、現行の重量車モードの燃費表示であることをカタログなどに分かりやすく記載し、顧客が誤解しないように、丁寧に説明していくとしている。

◆経産省と国交省、日野にJH25モード燃費のカタログ表示に努力するよう指示
経済産業省と国土交通省は、日野自動車に対して、燃費表示の状況に関し報告を求めるとともに、表示切替えに向けて最大限の措置をとることを指導した。

2023年4月1日以降に出荷予定のトラック・バスなどの重量車は、エネルギーの使用の合理化等に関する法律に基づいて、これまでの重量車モード燃費値から、新たな方法によるJH25モード燃費値に切り替えてカタログ表示することが求められる。

日野は一部の車種について申請準備が間に合わず、JH25モード燃費値を表示できない可能性があると公表した。この報告を受けた経済産業省と国土交通省は日野に対し報告を求めるとともに、表示切替えに向けて対応することを求めた。

具体的には、出荷予定の重量車についてJH25モード燃費値を表示できるように、燃費値に係る申請準備の迅速化を含め、最大限努力することを求めている。また、日野が対象車をOEM供給しているトヨタ自動車、いすゞ自動車を含めて、4月1日以降、出荷予定の重量車に、JH25モード燃費値を表示できない場合、顧客に対して丁寧に説明し、理解の確認を前提に販売することも求めている。

日野レンジャー《写真提供 日野自動車》 日野デュトロ《写真 日野自動車》 JH25モード燃費へのカタログ表示が遅れるモデル《資料提供 日野自動車》