ブガッティ・シロン の「Profilee4」《photo by Bugatti》

ブガッティのハイパーカー『シロン』の1台限りの「Profilee4」が2月1日、フランス・パリで開催されたRMサザビーズのオークションに出品され、979万2500ユーロ(約13億8600万円)で落札された。オークションでの新車の落札価格としては、最高額記録になるという。

◆専用デザインの固定式リアスポイラー
Profilee4のベースは、2020年に発表されて完売した「ピュアスポーツ」だ。ワンオフモデルのProfilee4は、ピュアスポーツのような時代を超越したエレガンスを維持しながら、スポーツ性能を強化したシロンを求める顧客に対する回答だ。シロンの総生産台数500台分は、すでに顧客への割り当てが決まっているため、真のコレクターズアイテムとしてProfilee4を企画したという。そして、ブガッティブランドのファンにワンオフモデルを手に入れる公平な機会を提供するため、RMサザビーズのオークションに出品することになったという。

Profilee4では、フロントのエアインテークが大型化され、「ホースシュー」グリルも拡大された。これにより、冷却空気を多くラジエーターに送り込めるようになった。改良されたフロントスプリッターは、彫刻が施されたアンダーボディと連携して機能し、ダウンフォースをさらに増加させ、エアフローを最大化する。リアには、専用デザインの固定式スポイラーが装備された。

負圧を利用し、高い位置にレイアウトされた2つの内部トンネルを通じて、エンジンコンパートメントから熱を吸い出す。ダウンフォースを生成するためにウイングの上部に空気が流れるだけでなく、エンジンコンパートメントから空気を取り込むために、ウイングの下にも空気が流れるようにした。

◆車体を低く見せる専用ツートンボディ
「アージェント・アトランティック」と呼ばれボディカラーは、専用開発された。ボディの下側は、ブルーロイヤルカーボンで塗装され、カーボンファイバーの素材パターンが見えるようにした。この専用のツートンボディは、シロンをさらに低く見せるのが狙いだ。馬蹄形のアルミホイールは、ワンオフモデルのために特別に設計、製造、テストされた。車体下側のカーボンの色合いに合わせて、「Le Patron」で塗装され、光沢アルミのアクセントが施されている。

センターコンソール、ダッシュボード、ドアパネル、リアウォールは、ウーブンレザーで仕上げられた。この工程では、2665mのレザーが使用され、1枚1枚が手作業で仕上げられた。「エアパレード」と呼ばれるキルティングパターンが特長のグリスラファール&ディープブルーレザー仕様のコンフォートシートが装備されている。

コックピットはシロン同様、中央にアナログ速度計を配した3つのコンパクトディスプレイで構成されたインストルメントクラスターが特長だ。ブラックアルマイト処理されたアルミ製ハウジングに取り付けられている。ディープブルーのレザー仕上げのステアリングホイールには、ピュアスポーツと同じ長いパドルシフトと、2つの赤いボタンが備わっている。

◆W16気筒エンジンを電動化技術なしで搭載する最後の1台に
8.0リットルW16気筒+4ターボエンジンを搭載する。最大出力は1500hp/6900rpm、最大トルクは163kgm/2000〜6000rpmを引き出す。トランスミッションは7速デュアルクラッチの「DSG」で、ギアレシオが短くなった。駆動方式は4WDで、0〜100km/h加速2.3 秒、0〜200km/h加速5.5秒、0〜300km/h加速12.4秒の性能を可能にした。最高速はピュアスポーツの350km/hから、380km/hへ引き上げられている。

なお、Profilee4が、2005年の『ヴェイロン』以来ブガッティが採用し続けてきたW16気筒エンジンを、電動化技術なしで搭載する最後の1台となった。この点も、今回のオークションで高値が付いた理由といえそうだ。

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