ホンダ XL750トランザルプ《写真提供 本田技研工業》

ホンダは、11月8日からミラノで開催される世界最大規模のモーターサイクル展示会「EICMA:ミラノモーターサイクルショー」に出展する欧州向け2023年モデルのラインアップを発表した。

今回のEICMAでは、アドベンチャーラインアップに新たなパッケージで『トランザルプ』が再登場する。また、着脱式可搬バッテリー「ホンダ モバイルパワーパック e:」を搭載した欧州初のホンダ電動二輪車『EM1 e:』、クラシックなフォルムに最新装備・テクノロジーを融合したスクランブラータイプのニューモデル『CL500』を初公開。また大型クルーザー『レブル1100(欧州名:CMX1100 Rebel)』には、長距離走行の快適性・実用性を重視した「レブル1100T(CMX1100T Rebel)」を新たに設定する。

このほか、デザインを一新したスポーツスクーター『フォルツァ125』『フォルツァ350』、新色を追加した『グロム(MSX Grom)』などを出展する。

◆XL750トランザルプ…復活のオールラウンドツアラー(日本導入予定)
トランザルプは1986年から2012年まで販売されていたアドベンチャーツアラー。そのトランザルプが「XL750トランザルプ」として復活する。新モデルは、市街地から高速道路、峠道から未舗装路まで、オールラウンドで、雄大なスケールのロングツーリングを快適に楽しめるモデルを目指して開発。「日常短距離での扱いやすさと、休日の長距離、高速走行時の快適性の両立」、「舗装路での軽快性と未舗装路の走破性の両立」、「冒険心を掻き立てる豊富で充実した装備」を高い次元でバランスさせた。

親しみやすく頼れるタフなデザインをスタイリングコンセプトとし、トランザルプらしさを感じさせ、冒険心を掻き立てるアドベンチャースタイルを追求。防風性能(ウインドプロテクション)と空力性能を高次元でバランスさせた高速道路での快適性を追求した大型フェアリングを採用する。

パワーユニットは欧州で発表した『CB750ホーネット』と共通の完全新設計755cc 270°クランク直列2気筒エンジンを搭載。常用域では扱いやすく高回転域ではパワフルな特性を持つ。さらに『CRF450R』や『CRF1100L』等で実績のある軽量コンパクトなユニカム方式の動弁系、ダウンドラフトエアインテークと、車体左右に配置した新採用の渦ダクト(Vortex Air Flow Duct)により低中速領域の吸入効率を向上。力強いトルクフィーリングを実現している。また、スロットルバイワイヤシステム(TBW)を採用。パワー、ホンダセレクタブルトルクコントロール(HSTC)、ABS、エンジンブレーキのレベルを切り替えられる5つのライディングモードを搭載する。

軽量スチール製ダイヤモンドフレームは、構造やレイアウトを最適化。軽快で扱いやすく快適で安定したハンドリングを実現する。足回りはフロントにSHOWA (日立Astemo)43mm SFF-CATM ストローク200mm倒立フロントフォークを、リアにはプロリンクサスペンションとハイブリット構造のアルミスイングアームを装備。ニュートラルなハンドリングとオフロードでの高い走破性を実現する。ホイールサイズはフロント21インチ、リア18インチの組み合わせ。オンロードでもオフロードでも多用途に使用できる。

XL750トランザルプは5インチTFTカラーディスプレイを搭載するほか、Android/iOSデバイスに対応したホンダスマートフォンボイスコントロールシステム(HSVCS)、オートウインカーキャンセル、エマージェンシーストップシグナルなど、豊富な機能を備えている。

◆EM1 e:…欧州初投入のホンダ電動二輪車
EM1 e:は、ホンダが初めて欧州で販売する電動二輪車であるとともに、ホンダが今年9月、2025年までに全世界で10車種以上を投入することを発表して以来、初めて投入する電動二輪車となる。

EM1 e:は手軽で楽しいアーバンライディングを提供する若者向けの電動スクーター。街中での走行や通学・通勤を、効率よく、静かにクリーンに走ることができ、現代のニーズやライフスタイルにマッチしたモデルとなる。

バッテリーは着脱式可搬のホンダ モバイルパワーパック e:を1個搭載。充電済みのモバイルパワーパックに交換することで、充電待ちなしで走行可能となる。最高速度は45km/h、1回の充電での航続距離は40km以上。フラットフロアを採用したコンパクトで滑らかなデザインを採用し、ホンダスクーターラインアップの中でも個性的な存在となっている。

◆CL500…万能なスクランブラーモデル(日本導入予定)
CL500はモダンなイメージを持たせたスクランブラースタイルモデル。あらゆるライフスタイルに自然に溶け込み、毎日の通勤から、週末のロングライド、フラットなオフロード走行までをこなす。

パワーユニットは『レブル500(CMX500 Rebel)』と同様の471cc直列2気筒エンジンを搭載。34.3kWの出力と43.4Nmのトルクを発生する。CL500専用のECU設定や、ショートに設定した最終ギア比で、1速から6速までシャープでレスポンスの高い加速を実現する。

フレームはシンプルで力強いパイプワークとループ形状の後端を採用し、CLシリーズの力強いスタイリングを表現。またフレーム全体の剛性/重量バランスを最適化し、共振を軽減することで高い走行安定性を実現する。フロントにはストロークに余裕を持たせた41mmフロントテレスコピックフォークを、リアにはプリロード調整可能なショックアブソーバーを採用。タイヤはフロント19インチ/リア17インチのブロックパターンを標準装備する。

◆レブル1100T…ツーリング仕様の新バージョン(日本導入予定)
レブル1100シリーズの2023年モデルには、新たにツーリングバージョンの『レブル1100T』を設定。ガンメタルブラックメタリックのボディカラーを採用するとともに、ワイドでエアロダイナミックなフロントハーフカウルと、スタンダードモデルより荷物を積むことができるサドルバッグを装備。さらに長距離を走るシーンで本領を発揮する。

フォークマウントのハーフカウルはスタイリッシュで刺激的なデザインでありながら、スクリーンにより効率的に風の巻き込みを低減。リアのカバーヒンジ付きサドルバッグ(右16L/左19L)もデザインに馴染んでいる。

◆フォルツァ125/350…フロントデザイン一新
2023年モデルのフォルツァ125/350はフロントカウルのデザインを一新。塊感・ダイナミックさを高めることでより洗練され、さらに一層エネルギッシュでプレミアムな印象になった。フォルツァ750にインスパイアされたフロント灯火器はより個性的なフェイスを演出。フロントホイールからミラーまで流れる細くデリケートなラインは、一層個性を引き立たせる。

◆グロム…ニューカラー2色を追加
コンパクトな125ccスポーツ『グロム』の2023年モデルは、スプレンデッドブルーとマットディムグレーメタリックの2色を追加。ゴールドカラーのホイールと、『CRF1100Lアフリカツイン』にインスパイアされたビッグロゴも、スペシャル感を演出。クールなスタイリング、クイック脱着ボディパネル、LCDメーターパネルを備え、空冷エンジンと5速ギアの組み合わせで軽快な走りを披露する。

ホンダ EM1 e《写真提供 本田技研工業》 ホンダ CL500《写真提供 本田技研工業》 ホンダ レブル1100T《写真提供 本田技研工業》 ホンダ フォルツァ125《写真提供 本田技研工業》 ホンダ フォルツァ350《写真提供 本田技研工業》