(イメージ)《写真提供 写真AC》

経団連が、新卒者ではない従業員の採用で一般的に使われている「中途採用」という言葉の使用をやめ、「経験者採用」に改めて会員企業に呼びかける方針を打ち出したという。

きょうの読売が1面の記事として報じている。それによると、2023年春闘の経営側の交渉方針などを示す「経営労働政策特別委員会報告」(経労委報告)の素案に盛り込んだもので、まず来年から経団連の会員企業向けの書類やアンケートなどで「経験者採用」の表記に統一。会員企業にも採用活動などでの使用を推奨するという。

「中途」が与える消極的な印象を払拭し、円滑な労働移動を促して経済の活性化につなげる狙いがあるそうだが、ただ、経団連が提唱した呼称が一般に広がるかは未知数。記事では「00年代に入ってからは『春闘』の使用をやめ、『春季労使交渉』と呼んでいるが、使用は一部にとどまる。『経験者採用』が定着するかどうかは、経団連の影響力を占う試金石にもなる」とも伝えている。

終身雇用や年功序列などの人事制度は、自動車業界を例にあげれば、100年に一度の変革の時代に対応できないことは理解できる。が、「中途」を「経験者」に表記を改めたところで、それが見せかけだけで、内容がそれに伴わなければ本末転倒。優秀な人材が集まりにくいなかで、“掛け声倒れ”に終わらないことを願いたいものである。

2022年11月7日付

●COP27開幕途上国支援本格議論へ、198か国・地域、エネ不安合意難航か(読売・1面)

●「中途採用」改め「経験者採用」経団連が統一方針、消極的な印象払拭(読売・1面)

●内閣支持最低36%経済対策響かず、本社世論調査(読売・1面)

●「環状2号線」の未開通部分公開、12月18日通行開始(毎日・20面)

●「賃上げ転職」促進へ、政府再教育支援など753億円(産経・2面)

●「割高運賃」切実50年、常磐線亀有・金町沿線住民ら提訴(東京・23面)

●ソニー・ホンダ、米でEV整備網を構築、販売後のサービス強化(日経・7面)