「自動車サーキュラーエコノミー〜欧州Catena-Xは何をもたらすか〜」《写真提供 ローランド・ベルガー》

ローランド・ベルガーは11月2日、最新レポート「自動車サーキュラーエコノミー〜欧州Catena-Xは何をもたらすか〜」を発表した。

ローランド・ベルガーは、ドイツ・ミュンヘンを本拠とする、欧州最大の経営戦略コンサルティング会社。同社ではモビリティに関する多くのプロジェクトを手掛けている。本レポートではドイツを中心に立ち上がった「Catena-X」に注目し、世の中にどのようなインパクトをもたらすのかを考察している。

2021年5月、官民連携で設立したCatena-Xは、統一プラットフォームを用いた企業間の情報共有を行う自動車業界のアライアンス。社会全体がサーキュラーエコノミー(循環経済)実現に向けて動き出す中、データ共有を通じてサプライチェーン(SC)効率化や強靭化、CO2排出量削減、事業機会創出などを目指している。

Catena-Xには、BMW、メルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲン、ボッシュ、ZF、マイクロソフト、BASFなど111社が参画。現在、Catena-Xの基本的なルールを定める議論を続けており、今後中小企業を含めた多様な企業の参画を促すための下地作りを行っている段階にある。

ローランド・ベルガーではCatena-Xの実現により、CO2排出量は見える化・削減、正確な中古査定・リサイクル材料回収、各工程・サプライヤーの稼働・生産実績の見える化、納品リードタイムや管理コストの削減など、さまざまなメリットが生まれると想定。Catena-Xをどのように自社ビジネスに活かすかは、Catena-Xの成否ではなく、サーキュラーエコノミー実現に向かう社会のなかで、各社が何を行うかだと指摘している。