ポルシェ 911 サリー・スペシャル《photo by Porsche》

ポルシェは8月22日、映画『カーズ』に登場するキャラクターの「サリー・カレラ」を、最新『911』ベースで実車化した1台限りの「911サリー・スペシャル」が8月20日、慈善目的のオークションに出品され、360万ドル(約4億9475万円)で落札された、と発表した。

◆特別な「ポルシェデザイン」の時計も付属
オークションを主催したRMサザビーズによると、360万ドルの落札価格は新車のポルシェとしては、これまでのオークションの最高値になるという。

オークションには、映画『カーズ』でサリーの声を担当した女優のボニー・ハントが立ち会った。「なんという夜で、なんという結果でしょう!『カーズ』のサリーにインスパイアされた車の驚異的な落札価格を見ることができたのだから」と、コメントした。

また、911サリー・スペシャルには、特別に設計された「ポルシェデザイン」の時計が付属。特注のラックに収められたスペアホイールセット、「サリー・スペシャル」のボディカバー、オリジナルスケッチをはじめ911サリー・スペシャルの構想から完成まで図表化した特別な1冊も付帯していた。

◆落札額はウクライナの難民を支援するためのプログラムに充当
サリー・カレラは、2006年に公開された映画『カーズ』のキャラクターのひとりで、2002年型のポルシェ『911カレラ』だった。ロサンゼルスで弁護士の仕事に就いていたが、都会での生活に疲れて、放浪の旅に。ルート66号線沿いの「ラジエーター・スプリングス」を気に入ったサリーは、そこで弁護士として働きながら、さびれた町を再建するために観光客を呼び戻す運動に取り組んだ。サリーはいつも、ラジエーター・スプリングスを支援するために努力する、というキャラクターだった。

ポルシェはここ数か月、サリー・カレラの20周年を祝うために、ピクサー・アニメーション・スタジオで『カーズ』のプロダクションデザイナーを務めるボブ・ポーリー氏とクリエイティブディレクターのジェイ・ワード氏と協力してきた。ドイツ・ヴァイサッハのスタイルポルシェと、シュトゥットガルトの「ポルシェ・エクスクルーシブ・マヌファクトゥール」とも連携。「もしも」として始まったプロジェクトが、新しい使命を引き受けることになったという。

「ピクサー・アニメーション・スタジオ」の『カーズ』第1作に登場したサリー・カレラの20周年を記念して、ポルシェはチャリティオークション用にワンオフモデル、911サリー・スペシャルを製作した。オークションの収益は2つの慈善団体に寄付され、そのうちのひとつは、米国のUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)を通じて、ウクライナの難民を支援するためのプログラムに充当される。

◆「サリー・カレラ」を思わせる「サリーブルー」のボディカラー
このプロジェクトは 2021年11月に開始され、ポルシェと映画『カーズ』の制作チームが連携した。チームには、サリー・カレラを最初に描いたプロダクションデザイナーのボブ・ポーリー氏も含まれていた。チームは10か月間、共同作業に取り組み、ユニークなワンオフモデルが完成した。

車体には、手作業でサリーブルーメタリックの塗装が施された。ホイールは911サリー・スペシャル用に特別に製造。フロント20インチ、リア21インチの5アームデザインが現行の 「992」世代と、サリー・カレラのベースとなった「996」世代の911との視覚的なリンクを生み出しているという。

特別なサリーブルーメタリックはインテリアにも使用されている。911サリー・スペシャルのシートには、チョークカラーのレザーとスピードブルーのステッチを組み合わせた3色仕上げの特別なチェッカーパターン生地を採用している。

ポルシェ 911 サリー・スペシャル《photo by Porsche》