新型インバーター《写真提供 デンソー》

デンソーは、5月25日から27日までパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2022」に出展し、「環境」「安心」分野の各種技術と製品を紹介する。併せて6月29日から7月1日までポートメッセなごやで開催される同展示会、および横浜と名古屋の会期に合わせて開催されるオンライン展示会にも出展する。

今回の展示会では、「環境」と「安心」の切り口から、持続可能なモビリティ社会に貢献する技術と製品を紹介する。「環境」分野では、「2035年までにカーボンニュートラルを実現」をテーマに、電動化関連のモビリティ製品やCO2排出量削減に貢献するソリューション技術を紹介。「安心」分野では、「社会に安心を提供」をテーマに、交通事故死亡者ゼロの実現を目指す安全製品や、モビリティの枠を超えて社会全体の安心に貢献するトレーサビリティ技術を紹介する。

◆環境分野
新型インバーター
インバーターは、車両の電動化に欠かせない基幹製品の一つ。新型インバーターは小型化により車両搭載性が大幅に向上。また、従来の一般的なハイブリッド車では、車両のフロントとリアに2種類のインバーターが搭載されていたが、本製品では内部部品の小型化と一体化により、一つのインバーター搭載で必要な機能を実現した。

SiCパワー半導体
SiC材料を用いたパワー半導体を開発し、燃料電池車向けに量産化。SiCパワー半導体を搭載した昇圧用パワーモジュールは、従来のSiパワー半導体搭載製品と比較して、電力損失を約80%低減し、車両燃費の向上に貢献する。

空飛ぶクルマ用電動推進ユニット
航空機の最重要要件である軽量化を高次元で実現。航空機分野で高出力密度技術を先取りし、地上モビリティへ還元していく。モーターはアキシャルギャップ型ダブルローター方式を採用、インバーターは高キャリア周波数化により静電容量を低減し、出力密度向上に貢献する。

エネルギー利用技術
どこでも、クリーンに、快適に、必要なエネルギーが使える、エネルギー循環社会の実現に貢献。クリーンで快適な生活や社会に必要な、エネルギーを「ためる・もどす」品揃えを提供する。CO2循環実証プラントでは、低濃度CO2からメタンを合成し、再利用に取り組んでいる。小型・高回収効率のCO2回収システムでは「必要な場所で、どこでもCO2回収」を実現する。

◆安心分野
グローバルセーフティパッケージ3
車両や路上物の位置や速度を検知する「ミリ波レーダー」と、カメラで自車の前方環境を検知する「画像センサー」を組み合わせることで、車両の安全性能の向上に貢献するとともに、ドライバーの運転を支援。今回の展示会では3世代目となるグローバルセーフティパッケージ3を紹介する。

トレーサビリティ技術
製品や商品のトレーサビリティ情報、カーボンフットプリント情報を、スマートフォンを用いて提供するプラットフォーム。消費者に製品や商品を安心して購入できる仕組みを提供する。今回の展示会では、一例として電池・カーボンフットプリント情報を取り上げ、QRコードを用いたトレーサビリティシステムを紹介する。

SiCパワーカード《写真提供 デンソー》 FCEV昇圧用IPM (インテリジェントパワーモジュール)《写真提供 デンソー》 ハネウェルとの共同開発品(翼のプロペラ部に搭載)《写真提供 デンソー》 「エネルギー利用」イメージ図《図提供 デンソー》 ミリ波レーダー《写真提供 デンソー》 画像センサー《写真提供 デンソー》