パナソニックの小型低速ロボット《画像提供 パンソニックホールディングス》

パナソニックホールディングスは4月15日、国内で初めて完全遠隔監視・操作型(フルリモート型)小型低速ロボットを使ったの公道走行許可に関わる審査に合格し、道路使用許可を取得したと発表した。

これまで道路運送車両法に基づく保安基準緩和認定の条件として、ロボット近くでの配置が必須となっていた保安要員の配置が不要となり、完全遠隔監視・操作型でロボットを活用した配送サービスなどの実証実験が可能になる。

同社では神奈川県藤沢市のFujisawaサスティナブル・スマートタウンで小型低速ロボットを使った住宅街向け配送サービスの実証実験を実施してきた。これまでの1200kmを超える走行実証実験を行う中、小型低速ロボットの認識能力向上、遠隔監視・操作に関するAI技術の進化によって今回、道路使用許可を取得できた。

具体的には、ロボットの認識能力を向上し、遠方の人や近接車両の移動物体、路上落下物などを即発見し、遠隔監視・操縦するオペレーターに通知することで、緊急時でもオペレーターが遠隔で介入、適切に対応できる。また、オペレーターが遠隔操作してロボットが横断歩道を走行する際、遠隔システムとの通信が途切れたとしてもロボットが自律的に安全な場所まで走行する。

これらの進化で、ロボット近くの保安要員のサポートが不要となり、完全遠隔監視・操作型でのロボットの自律走行が可能になったとしている。

進化させた技術を搭載した小型低速ロボットや遠隔管制システムをエリアモビリティサービスプラットフォーム「クロスエリア」と名付けた。5月からFujisawaサスティナブル・スマートタウンで商業施設から住民に商品を配送する実証サービスを提供する予定。

Fujisawaサスティナブル・スマートタウンで4台運用《画像提供 パンソニックホールディングス》 遠隔監視・操作のイメージ《画像提供 パンソニックホールディングス》