MINI「パット・モス・エディション」《photo by MINI》

MINIは3月8日、女性ドライバーが初めて、クラシック『Mini』で国際ラリーイベントに勝利して60周年を迎えるのを記念して、3ドアと5ドアに「パット・モス・エディション」を世界限定800台設定すると発表した。3月8日の国際女性デーに合わせた発表になる。

◆パット・モスのラリーでの活躍に敬意を表した演出
1962年5月、英国の女性レーシングドライバーのパット・モスは、オランダとフランス往復する「チューリップラリー」にクラシックMiniで参戦し、勝利を収めた。それから60年後、MINIはパット・モスの才能、勇気、情熱を称え、パット・モス・エディションを設定する。

「クーパーS」または「ジョン・クーパー・ワークス(JCW)グレードをベースに、フロントバンパーなどには、「Pat Moss」のサインを添えた。チューリップのマークが、Cピラーとサイドスカットルに配される。ホイールセンターキャップは、チューリップの花の輪郭とMINIのロゴをあしらった専用デザインとした。

フロントサイドパネルの下には、1962年のチューリップラリーのルート「Noordwijk〜Monte Carlo〜Noordwijk」、総走行距離2500km、ゼッケンナンバー「104」の文字が記された。ボンネットに水平に配された白いストライプの「737 ABL」の文字は、1962年のチューリップラリーで優勝したクラシックMiniの登録番号を示している。

◆オプションで「マルチトーンルーフ」が装着可能
ボディカラーにペッパーホワイトまたはミッドナイトブラックメタリックを選ぶと、オプションで、「マルチトーンルーフ」が装着できる。マルチトーンルーフでは、フロントウインドウフレームからリアまで、グラデーションデザインを用いる。車両前方は鮮やかな「チリ・レッド」、中央部分に移動するにつれて明るい「メルティングシルバー」、さらに後方部分は濃い色「ジェット・ブラック」へと、徐々に変化するルーフカラーデザインが特徴だ。ドアミラーカバーはレッドで仕上げられる。

これは、MINIが生産される英国オックスフォード工場の塗装技術により実現したものだ。3種類の塗料が乾ききる前に塗り重ねていく「ウェット・オン・ウェット」塗装が用いられている。

「スプレー・テック」と呼ばれるこの塗装仕上げプロセスは、英国のMINIオックスフォード工場の機械化された生産工程に組み込まれている。それでも環境条件の変化によって、カラーパターンにわずかなばらつきが生じる。そのため、マルチトーンルーフを選択するだけで、MINIブランドのコンセプトのひとつ「カスタマイズ性」のある唯一無二の1台を作り上げることが可能になるという。

◆トリムパネルにエンジンのピストンが上下に動く様子を表現
インテリアは、助手席前方のピアノブラックパネルにパット・モスのサインが入る。スポーツレザーステアリングホイールには、「エディション」のエンブレムが付く。下側スポークのクリップ部分には、チューリップのマークを添えた。

運転席側のトリムパネルには、エンジンのピストンが上下に動く様子を表現した。合計6本の線で、パット・モスの「M」と、コ・ドライバーのアン・ウィズダムの「W」の文字を再現する。エディションモデル専用にデザインされたスクリーン印刷によるアルミ製ドアシルトリムも採用している。

MINI「パット・モス・エディション」《photo by MINI》 MINI「パット・モス・エディション」《photo by MINI》 MINI「パット・モス・エディション」《photo by MINI》 MINI「パット・モス・エディション」《photo by MINI》 MINI「パット・モス・エディション」《photo by MINI》 MINI「パット・モス・エディション」《photo by MINI》 MINI「パット・モス・エディション」《photo by MINI》 MINI「パット・モス・エディション」《photo by MINI》 MINI「パット・モス・エディション」《photo by MINI》 MINI「パット・モス・エディション」《photo by MINI》 パット・モス(1965年ごろ)《Photo by Keystone-France/Gamma-Rapho via Getty Images/ゲッティイメージズ》 モンテカルロラリー前のパット・モス(向かって右)とアン・ウィズダム(1959年)《hoto by Douglas Miller/Keystone/Hulton Archive/ゲッティイメージズ》