BMW 2シリーズ ・クーペ 新型のアートカー《photo by BMW》

BMWは、新型『2シリーズクーペ』(BMW 2 Series Coupe)のアートカーを製作した。9月13日、BMWのメキシコ部門が発表している。

◆新型はメキシコ工場が世界で唯一の生産拠点

新型2シリーズクーペのアートカーがメキシコで発表されたのは、新型はメキシコのサン・ルイス・ポトシ工場が世界で唯一の生産拠点となるため。サン・ルイス・ポトシ工場は、BMWのグローバル生産ネットワークにおける最新の工場だ。新型2シリーズクーペは9月2日、同工場での生産を開始した。

同工場は、設計と建設段階から、さまざまなモデルの生産に簡単に対応できるように計画された。同工場が生産を開始してから2年で、プラグインハイブリッド車(PHV)の組み立てを追加し、世界中に販売を拡大した。新型2シリーズクーペを生産ラインに組み込むために、1億2500万ドルを追加投資し、施設がアップグレードされた。追加投資の一部は、既存施設の拡張と新型車の組み立てに必要な設備の取得に充てられた。

塗装工程のチームは、素材分析チームと協力して、新型の2つの新しい専用色、ブルックリングレイとサンダーナイトメタリックを手がけた。このうち、サンダーナイトメタリックは、サン・ルイス・ポトシ工場だけで塗装に使用される新色になるという。

◆フロントにメキシコとドイツの国旗の色を表現

アートカーは、造形芸術家のポトシ・ボスコ氏が、BMWのメキシコ工場で塗装を手がけるルイス・エスキベル氏とデビッド・フェルナンデス氏と協力しながら、完成させた。フロントには、メキシコとドイツの国旗の色が表現された。これは、エンジニアリングやデザインなどの面で、両国の持つ力を反映しているという。メキシコの食用サボテンの「ノパル」も描かれ、逆境に直面しても成長できることを表している。

複数の人間のシルエットは、BMWグループの組織を象徴している。BMWグループは2019年6月、メキシコ工場を開所した。以来、『3シリーズセダン』をグローバル市場に向けて出荷している。

アートカーの製作過程では、合計8色の中のいくつかの色を最大5回塗る必要があった。作業には、6.1リットルの自動車用塗料と、2.5リットルのクリアコートが使用された。

アートカーの塗装は、同工場のトレーニングセンターの塗装ブースにおいて、手作業で行われた。それぞれの色を塗装した後、30分の乾燥時間を設けた。さらに、BMWグループの塗装品質を維持するために、湿度や温度などを厳密に管理した。塗装に3週間、クリアコートの塗装に2週間、最終塗装仕上げの研磨作業などに2週間を要した。

◆アートカーのベースは高性能グレードの「M240i xDrive」

アートカーのベースは、高性能グレードの「M240i xDrive」だ。直噴3.0リットル直列6気筒ガソリンターボエンジンは、Mパフォーマンスオートモビルによる専用チューンが施された。その結果、欧州仕様の場合、最大出力374hp/5500〜6500rpm、最大トルク51kgm/1900〜5000rpmを獲得する。

トランスミッションはパドルシフト付きの8速AT「ステップトロニックスポーツ」で、駆動方式は4WDの「xDrive」だ。ローンチコントロール機能を採用したM240i xDriveは、0〜100km/h加速を4.3秒で駆け抜け、最高速は250km/hでリミッターが作動する。

「Mスポーツブレーキ」やフロント225/45R19、リア255/35R19サイズのタイヤを備えた19インチMアルミホイールも装備される。市街地走行からサーキットに至るまで、直感的なブレーキ操作に応え、卓越したブレーキパフォーマンスを発揮する、と自負する。このシステムは短いペダルストロークと明確なプレッシャーポイントが特長のスポーティなセットアップが施された。ブレーキング時の熱に対する耐性が高く、高い制動能力を実現するという。

さらにM スポーツブレーキには、よりダイレクトなブレーキレシオと分離型油圧回路で設計されたフロント4 ピストン式固定キャリパー、リアシングルピストン式フローティングキャリパーを装備している。

◆トラクションとコーナリング性能を向上させるMスポーツディファレンシャル

サスペンションは、フロントがダブルジョイントのスプリングストラット、リアが5リンクだ。「Mスポーツディファレンシャル」は、リアディファレンシャルに一体化された電子制御式の無段階可変ロック機能を採用し、トラクションとコーナリング性能を向上させる。さらに、アクティブディファレンシャルロック機能が、走行安定性と俊敏性を高める効果を発揮する。

また、DSC (ダイナミックスタビリティコントロール)システムを通じて、コーナリング中の内側と外側のリアホイールの差動を制限することにより、あらゆる走行状況において、駆動力の伝達を最適化するという。電気モーターによって生成される差動ロック機能により、駆動トルクを、回転が速い方のホイールから回転が遅い方のホイールへと移動させることができる。

例えば、高速でカーブを走行する場合、アンダーステア傾向が生じる場合がある。そのために、グリップを失って空転ぎみになっているカーブ内側のホイールの路面に伝えることのできない駆動力を、ブレーキを作動させて無力化させるのではなく、意図的にカーブ外側のホイールに配分する。そうすることで、車両はダイナミックにカーブに進入し、駆動トルクをスポーティな走りのために利用できる、としている。

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