ENEOSとペトロナスグループによる協業の検討概要《画像提供 ENEOS》

ENEOSは9月10日、燃料電池車(FCV)などにCO2フリー水素を供給するため、マレーシア国営石油会社ペトロナスの完全子会社PGNESBと、CO2フリー水素のサプライチェーン構築に向けて協業を検討することで合意したと発表した。

今回の協業では、マレーシアでペトロナスの石油化学工場で未利用の副生水素を、効率的な貯蔵・輸送形態の一つである有機ハイドライド・メチルシクロヘキサン(MCH)に変換し、ENEOSの製油所に輸送するサプライチェーン構築を両社で検討する。FCVなどの燃料である水素の精製をCO2フリーで供給するサプライチェーンを確立することで、脱炭素社会の実現につなげる。

ENEOSとPGNESBはマレーシア国内での水素の製造、MCH製造・出荷について検討する。また、ENEOSは製油所でのMCHを利用した水素の製造・利用に加え、火力発電所や製鉄所などへの水素供給を検討する。

また、将来的な規模拡大を念頭に、再生可能エネルギー由来のグリーン水素や、化石燃料から水素を製造する際に排出されるCO2を回収・貯留することで、CO2排出量を実質ゼロとするブルー水素の製造可能性についても検討する。協業の一環として、両社はマレーシア国外での水素製造プロジェクトの可能性についても検討する。