ポルシェがチリに建設する合成燃料の「eFuel」を生産するための工場の完成予想イメージ《photo by Porsche》

ポルシェ(Porsche)は9月10日、チリのプンタアレナスに、合成燃料の「eFuel」を生産するための工場の建設を開始した、と発表した。

ポルシェはデモンストレーションプロジェクトを開始し、独自の内燃エンジン車で、CO2排出量を最大90%削減することを可能にするeFuelを使用する予定だ。ポルシェは2030年にカーボンニュートラルの実現を目指しており、再生可能エネルギーで生産されたeFuelsは、この目標達成に貢献するという。

ポルシェは2022年から、「ポルシェモービル1スーパーカップ」向けレーシングカーにチリで生産されたeFuelを使用する。レーシングカーの最新世代の新型『911 GT3カップ』は現行の992世代のポルシェ『911』をベースにした最初のレーシングカーで、ワイドなターボ仕様のボディを備えたワンメイクカップ用マシンだ。従来型を25ps上回る510psの最大出力を発生しながら、合成燃料のeFuelの使用が可能なため、レース条件下でのCO2排出量を大幅に削減できるという。

プロジェクトでは、チリ南部の風力エネルギーを利用して、実質的にカーボンニュートラルな燃料を生産する。最初に、風力を使用した電気分解装置が、水を酸素とグリーン水素に分解する。次に、CO2を空気からろ過し、グリーン水素と組み合わせて、合成メタノールを生成。合成メタノールは、eFuelに変換される、

ポルシェは2022年半ばから、年間約13万リットルのeFuelを生産する計画。その後、生産能力は2段階で約5500万リットルに拡大され、2024年までに約5億5000万リットルを生産できる見通し、としている。

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