2019年10月に開催された「WEC 2019/2020シーズン第2戦 富士6時間」の模様。《Photo by TOYOTA》

7日、富士スピードウェイが今年9月26日決勝の日程で開催を予定していた「2021 FIA世界耐久選手権(WEC)第5戦 富士6時間耐久レース」の中止を発表した。WEC公式サイト等でも報じられている。

WEC富士戦は2012年から例年秋に開催されていたが、直近の開催はコロナ禍が発生する前の2019年10月、2019/2020シーズン第2戦としての開催だった。もともとは2020年の秋にも、2020/2021シーズン序盤の一戦として実施予定があったが、2020年3月以降、コロナ禍によってWECのシーズン構成自体が激変の連続を余儀なくされていくなか、2020年秋の富士開催は自然消滅するような格好になっていた。

今年、2021年シーズンというかたちになったWECに全6戦中の第5戦として富士戦が“復帰”、9月26日決勝の日程が組まれていた。しかしながら今般、依然としてコロナ禍に起因する諸般の情勢等を楽観視できない状況下、中止が決まっている。

以下は今秋のWEC富士戦中止に関する富士スピードウェイからの声明。

「関係各方面との連携・調整を続けてまいりましたが、大会まで残り3カ月となり、物流手配等の期限を迎えた現時点においても外国人選手やチーム関係者の移動および滞在など、開催を確約できる見通しが立たないため、LMEM(WECシリーズ プロモーター)とも協議のうえ、大変残念ではございますが本大会の開催を断念することといたしました」

「ご観戦を楽しみにされていたファンのみなさまならびに関係者のみなさまにおかれましては、大変申し訳ないことと存じますが、ご理解くださいますようお願い申し上げます」

「今後は2022年大会の開催に向け、引き続きLMEMをはじめ、関係各所と協議を進めてまいりますので、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます」

なお、WEC公式サイトでは富士戦の中止に伴うカレンダー変更も発表されている。それによると、第5戦富士のあと、本来なら11月20日決勝の日程で最終第6戦を開催することになっていたバーレーン(バーレーン国際サーキット)で、10月末からダブルヘッダー(2週連続開催)が実施されることになった。

現段階でのWEC 2021年シーズンの残り日程は以下の通り(日付は決勝予定日)。

第3戦 7月18日 モンツァ6時間(イタリア)
第4戦 8月21〜22日 ルマン24時間(フランス)
第5戦 10月30日 バーレーン6時間
第6戦 11月6日 バーレーン8時間

バーレーンでのダブルヘッダーは当初の1戦開催だった予定より少し時期が早まり、1戦目と2戦目でレース時間を変えて実施される模様だ(詳細は今後決定される)。

ルマン・ハイパーカー(LMH)規定に沿って開発されたトヨタの新型主戦マシン、「GR010 HYBRID」の勇姿を今秋は富士で見られなくなってしまったことは残念だが、2022年の開催再開実現を期待して待ちたい。

2019年10月に開催された「WEC 2019/2020シーズン第2戦 富士6時間」の模様。《Photo by TOYOTA》 2019年10月に開催された「WEC 2019/2020シーズン第2戦 富士6時間」の模様。《Photo by TOYOTA》 2019年10月に開催された「WEC 2019/2020シーズン第2戦 富士6時間」の模様。《Photo by TOYOTA》 WECの2021年シーズンを戦っている「トヨタGR010 HYBRID」。《Photo by TOYOTA》