大原鉄工所の内陸用大型雪上車《写真提供 大原鉄工所》

文部科学省の南極地域観測統合推進本部は6月30日、第63次南極地域観測隊員および同行者の決定し、発表した。車両メーカーからは大原鉄工所の吉澤悠生(よしざわ・はるき)さん、いすゞ自動車の森戸毅(もりと・つよし)さんが参加する。

第63次観測隊員は全77人(越冬隊37人+夏隊40人)の予定で、今回の発表で既定と合わせて67人(越冬隊33人+夏隊34人)が決定した。2人とも越冬隊メンバーで、吉澤隊員は設営・機械で雪上車をはじめとする各種機械・設備の整備を主に担当、森戸隊員も設営・機械で車両全般の担当だ。

スキー場の圧雪車や雪上車のメーカーである大原鉄工所は去る5月19日に、国立極地研究所様と内陸用大型雪上車1台の契約を締結している。新型は現用車両のSM100S型と比較して、車内容積は約2倍、車両重量・牽引力は1.2倍以上と大型化するいっぽう、走行性能は向上しているという。

国立極地研究所は南極観測事業の実施中核機関として、観測計画の立案・実施を担当する。

第63次観測隊は11月10日に南極観測船「しらせ」で横須賀を出港し、12月下旬に昭和基地到着、越冬隊は2023年3〜4月ごろに帰国する予定だ。

大原鉄工所の内陸用大型雪上車《写真提供 大原鉄工所》