Ra-sHUB《写真提供 NTN》

NTNは、前輪用ハブベアリングに転舵角度を調整する機構を組み合わせたステアリング補助機能付ハブベアリング「sHUB」を後輪用に改良した「Ra-sHUB」を開発。5月26日に開幕した「人とくるまのテクノロジー展2021オンライン」に出展している。

sHUBは、NTNが有するハブベアリングの設計、製造技術とモータなどの制御技術を組み合わせ、左右各輪の転舵角度の個別補正が可能なモジュール商品。2018年の開発発表後、車両の応答性の向上や燃費改善に貢献する商品として市場に提案を進めてきたが、今回この技術を応用し、大きな転舵角度を持ち、あらゆる懸架装置に対応できる後輪転舵システムとして「Ra-sHUB」を開発した。

現在、市場にある後輪転舵システムは、適用することで、ホイールベースが長い大型車両でも最小回転半径を小さくするとともに、走行安定性を高め、安全な走行を可能にする。しかし、既存の後輪操舵システムは大型な上、高級車に採用されるマルチリンク方式など一部の懸架装置のみに適用が限定されているほか、構造上大きな転舵角をとることが困難とされている。

NTNが今回開発したRa-sHUBは小型で、後輪の懸架装置の種類を選ばず、従来のハブベアリングと同様にさまざまな車両への搭載が可能。トーションビームなどのリンク機構がない懸架装置で後輪転舵するためには、大掛かりな車両の設計変更が必要だったが、Ra-sHUBは比較的容易に搭載でき、あらゆる懸架装置の車両にて後輪転舵を実現する。

車両搭載イメージ《図版提供 NTN》