電動航空機(イメージ)《写真提供 デンソー》

デンソーは5月25日、米国ハネウェル社と、電動航空機用推進システム事業でアライアンス契約を締結し、共同事業を開始すると発表した。

共同事業の対象は、電動航空機用推進システム製品の開発・設計、生産、販売、およびアフターサービス。両社は、まずエアタクシーや貨物機などの都市型エアモビリティ分野に注力する。すでに顧客とのプロジェクトを進めており、2022年に電動航空機用推進システムの試験飛行を実施する予定だ。

昨今、MaaSの進展によりモビリティが多様化する中、都市部での渋滞や過疎地での交通網の確保といった課題の解決策として、電動航空機が注目を集めている。電動航空機は、静かで快適性に優れるだけでなく、CO2を排出しない環境に優しい次世代モビリティだ。

デンソーは今回、2019年より共同開発を続けていたハネウェル社とのアライアンスを強化し、電動航空機用推進システムの共同事業を開始。ハネウェルの航空機向け技術開発での100年以上の実績と、デンソーの約70年にわたり自動車向け技術開発で培った高い技術力を融合し、両社で電動航空機用推進システム製品であるEPU(Electric Propulsion Unit)を開発する。その中でデンソーは、独自の磁気回路を用いた高出力モーターや、内製SiC(シリコンカーバイド)を用いた高効率・高駆動周波数インバーターを開発。航空機にて最も重要な軽量化を実現し、空のモビリティの価値向上に貢献する。

ハネウェルとの共同開発品 EPU《写真提供 デンソー》 EPUをプロペラ部に搭載《写真提供 デンソー》