レンジエクステンダーの例《写真提供 SKDI》

SDKI は2月25日、市場調査レポート『電気自動車レンジエクステンダー市場ー世界的な予測2025年』を発刊した。調査レポートによると、電気自動車のレンジエクステンダー市場は2018年に21万8129台から2025年までに47万9027台に達し、期間中に11.89%の年平均成長率で成長すると予測される。

レンジエクステンダー=到達距離延長装置は、電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HV)に搭載される発電機と周辺機器をさす。車載の発電機によって電気走行可能な距離を増やすことが目的だ。

レンジエクステンダーの市場は主に、EVの航続の延長に対する需要によって推進される。米国のエネルギー運輸省によると、EVの走行距離の中央値は、米国では2011年の73マイル(117km)から2017年には114マイル(183km)に増加したという。

レンジエクステンダーの市場は、レンジエクステンダーのタイプに基づいて、ICE(内燃機関)レンジエクステンダー、燃料電池レンジエクステンダーなどに分割される。ICEレンジエクステンダーの発動機を直接駆動力にも用いる場合はパラレルハイブリッド、発電機だけを稼働する場合はシリーズハイブリッド、発電した電気をバッテリーに充電できる場合はプラグインハイブッドとなる。

SDKI の概算によると、ICEレンジエクステンダーが生産台数では最大のシェアだ。現在、ほとんどのメーカーがICEレンジエクステンダー電気自動車を提供している。ICEレンジエクステンダーはコストが他のタイプより低く、今後、ICEレンジエクステンダー市場を牽引すると予想される。

レンジエクステンダーのコンポーネントの市場は、バッテリーパック、発電機、電力変換器、電気モーターに分割される。主要コンポーネントであるバッテリーパックは、価値の面で最大の市場だろう。またバッテリーパックの価格は、レンジエクステンダーの他のどの部品よりも高い。バッテリーメーカーはバッテリーの価格を下げるため、採算台数の拡大に焦点をあてている。バッテリー価格の引き下げは、レンジエクステンダー市場を牽引するはずだ。

レンジエクステンダー市場を地域別に見ると、SDKI は、ヨーロッパが予測期間中に最高のCAGRで成長すると予測する。EVの航続延長に対する需要の高まり、レンジエクステンダー搭載車の購入に対する当局のインセンティブが市場を牽引するだろう。

レンジエクステンダー市場の主要なキープレーヤーには、マグナ・インターナショナル(カナダ)、マーレ(ドイツ)、ラインメタル(ドイツ)、プラグパワー(米国)、AVL(オーストラリア)などがある。

レンジエクステンダーの例《写真提供 SKDI》