ボルボ・カー・ジャパンのマーティン・パーソン 社長《写真撮影 小松哲也》

ボルボ・カーが2030年までに電気自動車(EV)に全面移行する方針を打ち出したのを受けて日本法人のマーティン・パーソン社長は3月3日、都内で報道各社とのインタビューに応じ、「プレミアムセグメントでEVが大きく伸びていくことは間違いない」との見通しを示した。

ボルボ本社が3月2日に表明したEV全面移行の方針に沿って、日本法人のボルボ・カー・ジャパンも2030年に新車のすべてをEVにすると、翌日の3日に発表した。その第1弾として日本市場では初となるピュアEVモデルの『C40』を2021年秋に導入することも明らかにした。さらに2022年以降も年間1モデル以上のEVを投入する計画。

C40を始めとするボルボのEVは今後、日本市場でも本社の方針通りオンラインのみでの販売となる。パーソン社長はオンラインのみでの販売について「クルマを購入するのにあたって、まずは検索をしてからというお客様が多い。その次のステップへ自然に持っていくということで、オンラインでご購入して頂けるようにするというのが私たちの意図となっている」と説明。

さらに「オンラインの有用性としては価格の透明性を担保できるこということ。それによってお客様は価格交渉しなくて済む。実際、お客様も価格交渉したくないと思っているので、それもひとつの大きな狙い」ともパーソン社長は指摘する。

また日本でC40は当初の100台はサブスクリプションのプランを用意するという。その狙いをパーソン社長は「これもオンライン販売と同様にお客様の声に耳を傾けた結果として出てきた策。お客様はもはや自分のクルマを所有するのではなくて、あくまでもモビリティを担保してくれれば良い。それならばサブスクリプションの方が簡単で良いというお客様もご意向もあって、そのような展開になった」と話す。

さらに「EVとサブスクは大変良い組み合わせになると思う」とした上で、「EVは航続距離など技術的な心配や、買い替える際の下取り価格はどれくらいつくのかなど、まだ何となく心配というお客様も多い。、サブスクで乗ることができれば、そうしたリスクがない。であればEVに乗ってみようかという気持ちにもなる」とも。

日本でのボルボ車のラインアップはマイルドハイブリッドまたはプラグインハイブリッドとすべて電動化モデルとなっているが、ピュアEV自体は現状ではない。まさにゼ今秋からゼロスタートで10年後に100%EV化を目指すことになる。

パーソン社長は「相当果敢な目標になる」としながらも、「すでにPHEVに乗っていらっしゃる方は電動車両に馴れているのでEVに抵抗なく乗り換えられると思うし、さらには一気にEVに乗り換えられるという方も出てくるので、この2つを掛け合わせていくと、ある段階から急に右肩上がりに成長していく」と自信を示す。

さらに「2030年までに日本市場全体が100%EV化するかというのは別の話になるが、、あくまでもプレミアムセグメントにおいては今後大きく伸びていくことは間違いない。ヨーロッパでもそうであったように、日本でもそうした曲線を描くことになるだろう」とも話していた。

ボルボ C40デザインプロトタイプ《写真撮影 小松哲也》 ボルボ C40デザインプロトタイプ《写真撮影 小松哲也》 ボルボ C40デザインプロトタイプ《写真撮影 小松哲也》 ボルボ C40デザインプロトタイプ《写真撮影 小松哲也》 ボルボ・カー・ジャパンのマーティン・パーソン 社長《写真撮影 小松哲也》