次に購入する車両のパワートレーンタイプ(6か国比較)《図版提供 デロイト トーマツ グループ》

デロイトトーマツグループは、日本および米国、ドイツ、インド、中国、韓国の6か国の自動車に関する消費者意識をまとめた「2021年 デロイト グローバル自動車消費者調査」を発表した。

調査は2020年9月から10月にかけて実施。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に起因する不確実性と経済的な懸念が消費者意識に与える影響も絡めて、先進技術、デジタル自動車小売プラットフォームなどの側面から結果を分析している。

分析結果によると、不確実性の高い情勢にて、消費者は手頃な価格で実証済みの技術を求めており、ガソリン/ディーゼル車(ICE)を購入する傾向が急上昇している。米国の消費者のうち、次に購入する車両のパワートレーンに対して非ICE車を検討している割合は26%に過ぎず、前年比で15ポイントと大きく減少。日本では依然ハイブリッド車、電気自動車(EV)など非ICE車を検討している消費者が過半を占めているものの、同8ポイント減の55%にダウンした。

EVに関する最大の懸念事項については、日本では充電インフラの欠如(29%)が最も高く、韓国(32%)、インド(26%)も同様。一方、米国とドイツではバッテリー走行距離(28%)で、中国では安全上の懸念(29%)が挙がった。また、日本(71%)、米国(71%)、ドイツ(64%)、インド(63%)では、多くの消費者が自宅での充電を想定している一方、韓国と中国では職場や路上での充電ネットワークの重要性が高くなっている。

先進技術については、アジアではコネクテッドカーに対する消費者に対する肯定的な認識が徐々に高まっており、中国の消費者の83%が有益だと考えているのに対して、米国はその半分(44%)に過ぎない。インターネットへの接続性が向上したことでハッキングの危険性を最も懸念しており、日本でも54%がコネクテッドカーの安全性について懸念を抱いている。次の購入車両に求める機能では、各国ともに、緊急自動ブレーキ(日本83%)、死角警告/アラート(日本77%)といった安全性に関わる機能を重視。一方で、先進技術の搭載にかかる追加コストの支払い意欲は限定的で日本の場合、消費者の84%がインフォテインメントに、78%がコネクテッドサービスに5万円以上を払いたくないと考えている。

今後の車両購入意向については、日本(80%)や米国(71%)など先進国では多くの人が対面販売を希望している。多くの消費者が「購入する前に車を見なければならない」(日本80%、ドイツ76%、米国75%)、または「車を試乗しなければならない」(日本58%、米国64%、中国59%)と回答。実際に車両を見て運転したいという意向がデジタル化の普及を困難にする要因になっている。一方、「バーチャルサービス(メンテンナンスなどの際に自宅・オフィスから車両を引き取るサービス)」については多くの消費者が関心を示している。ただし、日本(67%)、米国(46%)、韓国(70%)の消費者は、無料で提供を条件に使用してみたいと回答しており、今後サービス展開していく上では投資回収に懸念がある。

ガソリン/ディーゼル車(ICE)の購入意向が一転上昇…コロナ禍による経済的影響が要因《図版提供 デロイト トーマツ グループ》 電気自動車購入における懸念事項《図版提供 デロイト トーマツ グループ》 電気自動車を最も頻繁に充電する場所《図版提供 デロイト トーマツ グループ》 次の車両を取得するための最も好ましい方法《図版提供 デロイト トーマツ グループ》