トヨタ自動車の自動運転技術やソフトウェア開発などを担うウーブン・プラネット・ホールディングス(WPH、東京都中央区)は1月29日、グループ企業とともにオンラインでオープニングイベントを開き、各社のリーダーが事業方針などを表明した。
ウーブン・プラネットグループは、自動運転技術の実用化に向けたソフト開発会社として2018年3月に設立されていたトヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI-AD)を母体に設立されたもので、2021年1月に事業を開始した。持ち株会社のWPHのもと、事業会社の「Woven Core(ウーブン・コア)」と「Woven Alpha(ウーブン・アルファ)」、さらに関連分野へのグローバル投資ファンドである「Woven Capital(ウーブン・キャピタル)」を配している。
事業会社のウーブン・コアは自動運転技術の開発・実装・市場導入などを担う。もうひとつの事業会社、ウーブン・アルファは今年2月から静岡県裾野市に建設予定の実証実験都市「Woven City(ウーブン・シティ)」やクルマの安全性に関する開発プラットフォームの「Arene(アリーン)」などを担当し、既存のトヨタの事業領域を超えて、新たな価値創造につながる事業機会の探索や革新的なプロジェクトの立ち上げを図る。
29日のオープニングイベントでは、まずWPHのジェームス・カフナ―CEOが挨拶に立ち「自由に動けることはすべての人々が根源的に希求すること。私たちのミッションンとビジョンはMobility to Love,Safety to Liveであり、お客様の信頼と安全を最優先にモビリティをつくり、人々の可能性を広げていきたい」と語った。
そのうえで、傘下各社について「ウーブン・コアは、コア技術であり最先端の自動運転技術と先進安全技術を開発していく。ウーブン・アルファはイノベーションと新しいアイデアを生み出す。ウーブン・キャピタルはパートナーシップにより、豊かなリソースでグループの活動を支える」」と、それぞれ担務を紹介した。
WPHのCTOを兼ねるウーブン・コアの鯉渕健取締役(チェアマン)は「クルマは人々の暮らしを安全で豊かなものにするために、どんな時もドライバーのパートナーとして進化していく必要がある。個人の乗用車では、自動運転技術と高度運転支援を駆使してドライバーとクルマの双方をパートナーとする『モビリティ・チームメイト・コンセプト』で技術開発を進めている」と、開発方針の一端を示した。このコンセプトに基づく先進技術である「チームメイトテクノロジー アドバンストドライブ」を搭載した車両を2021年に市場投入する計画も公表した。
一方、ウーブン・アルファの代表取締役も兼ねるカフナー氏は「日本の丁寧で精緻なものづくりとシリコンバレー流のスピードと機動性を組み合わせていく」とし、開発プラットフォームの「アリーン」によって「世界で最も品質と信頼性の高いソフトウェアをつくっていきたい」と強調した。
また、WPHのシニアバイスプレジデント兼ウーブン・アルファの代表取締役としてウーブン・シティのプロジェクトを担当する豊田大輔氏は「ウーブン・シティはウーブン・プラネットグループにとって、イノベーションをリアルな環境で実証、実装していく重要な場になる。人を中心に、ここに住む方ひとり一人の生活を想像しながら取り組みたい」と抱負を語った。ウーブン・シティの鍬入れ式は2月23日の「富士山の日」に行う計画も明らかにした。
トヨタのウーブン・プラネットが始動イベント…カフナーCEO「モビリティで人々の可能性を広げる」
2021年01月29日(金) 17時15分
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