漆塗りでカスタマイズされたパンヘッド《写真提供 塩尻市観光協会》

木曽平沢に伝わる漆塗りでカスタマイズされたクラシックハーレーが完成。2月以降、長野県塩尻市内の各所にて巡回展示される。

長野県塩尻市の木曽平沢地区は日本有数の漆器の産地。木曽平沢で生産される漆器は「木曽漆器」と呼ばれ、美しさと丈夫さを兼ね備えた日用品として400年以上の長きに渡り全国で親しまれてきた。

今回、木曽漆器に伝わる伝統的な漆塗り技法や新たに開発した皮革製品への漆塗り技法などを施したパーツを組み込んだハーレーダビッドソンが完成した。ベース車両は1960年代に製造されたクラシックハーレー「パンヘッド」。ハンドルバー、タンク、リアフェンダー、シフトレバーは木曽漆器の伝統的な技法で塗られている一方、ハンドルグリップ、サドル(シート)は皮革製品に漆塗りを施すという新しい技法を使用。木曽漆器によるパーツを装着することで、和洋折衷のスチームパンクスタイルを感じさせる1台に仕上げている。

今回の取り組みは、木曽平沢「未空うるし工芸」の岩原裕右社長が中心となり、長野県の飲食サービス業等、新型コロナウイルス対策応援補助金を活用して行われた。岩原社長は「木曽漆器を全国にPRするため、春以降は関東で行われるイベントにも参加したい」とコメント。場所によっては自走して出かけることも考えているそうだ。また「一般的に漆器は紫外線に弱いとされているが、あまり神経質にはならず漆塗りの経年変化による味わいも見て欲しい」と今後の展望を語っている。

このカスタムハーレーは2月以降、塩尻市内の各所にて巡回展示される予定。詳しいスケジュールなどについては、塩尻市観光協会公式ホームページのほか、Twitter、Facebook、Instgramなどでアナウンスされる。

サドルは岩原社長が展開するjaCHRO(ジャックロ)というブランドの皮革製品への漆塗り技術を応用したもの《写真提供 塩尻市観光協会》 タンクは金箔の上に漆を塗装する「白檀」という技法が用いられており、独特の輝きを放つ《写真提供 塩尻市観光協会》