企業倒産の月次推移(2020年10月)《画像提供 東京商工リサーチ》

東京商工リサーチが11月10日に発表した10月の全国企業倒産件数は624件、前年同月比20.0%減と前年を下回った。負債総額は同11.5%減の783億4200万円だった。

倒産件数は、新型コロナ感染拡大に伴う政府・自治体、金融機関の資金繰り支援策の効果で、7月以降、4カ月連続で前年同月を下回った。10月としては1971年以降の50年間で、1989年に次ぐ、2番目の低水準だった。ただ、新型コロナ関連倒産は104件と過去最多を更新しており、政府などによる金融支援による延命措置は息切れしつつある。

負債100億円以上の大型倒産は1件発生したが、負債1億円未満は501件で、負債の小口化が目立つ。

産業別は、10産業のうち、9産業で前年を下回った。インバウンド消失、外出自粛などの影響を受けた飲食業、宿泊業を含むサービス業他が228件で最多だった。自動車生産などが回復していることから製造業は65件、同42.2%減と大幅に減少した。運輸業は20件、同53.8%増と3カ月ぶりに前年を上回った。

地区別件数では、9地区のうち、7地区で前年を下回った。