ドライブレコーダー検品工程における自動化ソリューション(イメージ)《写真提供 JVCケンウッド》

JVCケンウッドは11月4日、グループ会社のドライブレコーダー検品工程にて、エッジAIカメラを活用した自動化ソリューションシステムの稼働を開始すると発表した。

エッジAIカメラとは、サーバーやクラウド側で映像・画像のAI処理を行う従来型のカメラと異なり、エッジ(カメラ)側でAI処理を行うカメラのこと。処理結果のみをサーバーやクラウドへ送信するため、処理スピードの向上と情報漏洩リスクの低減が期待できる。

JVCケンウッドは、ビズライト・テクノロジー製のエッジAIカメラの取り扱いを10月23日より開始し、「EXensors(エクセンサーズ)」シリーズとして展開している。このエッジAIカメラを用いた先行PoC(実証実験)として、音響機器、情報通信機器関連の販売・保守・修理業務などを手がけるグループ会社のJVCケンウッド・サービスと共に、ドライブレコーダー検品工程の一部(液晶画面の異常検知)の自動化ソリューションの検討を進めてきたが、今回、PoC工程を終え、正式に稼働を開始することが決定した。

自動化ソリューションシステムでは、エッジAIカメラに同社製アプリケーションを搭載。ドライブレコーダーの液晶画面に表示される27fps(1秒間に27フレーム)のテスト映像から1フレームの異常な画面を検出し、その画像をサーバーに保存する。まばたきの間に見過ごされてしまう異常画面を見逃さず、また人間の手作業では不可能な瞬時の異常画面の撮影を確実に行う。異常画面検出時には、警告灯を点灯。作業者は別の作業に対応できるなど、工数の削減を実現する。また本システムの応用として、任意の時間内における映像変化の検出により、異常(不良)検知、侵入検知、およびそれらを用いた遠隔監視などのシーンで利用することも可能だ。

同社はグループ会社での導入を足掛かりに、今後「EXensors」シリーズを、これまで人の五感で行ってきた作業をエッジセンサーが代行することでより高度な作業を可能とするだけでなく、工数削減を実現する「エッジAIカメラソリューション」としてさまざま分野に対して提案。また、同社グループがこれまで培ってきた業務用映像機器のノウハウ・販路を最大限活用することで、シリーズの売上拡大を目指す。