車載用ディスプレイ世界市場規模予測《画像提供 矢野経済研究所》

矢野経済研究所は9月29日、車載用ディスプレイ世界市場を調査し、タイプ別や部位別、インチ別の市場動向、メーカー動向、価格動向、将来展望を明らかにした。

2019年の車載用ディスプレイ世界市場(純正品および市販品を含む、メーカー出荷数量ベース)は前年比3.1%減の1億6125万枚と、自動車生産台数減少の影響から前年割れとなった。2020年は前年の反動もあり、当初プラス成長が見込まれたが、新型コロナウィルスの影響で欧州を中心とした各国の自動車生産工場の稼働中止が続いたことから同17.1%減の1億3367万枚に減少すると予測する。

一方で、デジタルコックピット(統合コックピット)やHUD、サイドミラー向けの車載用ディスプレイ、AM-OLEDやMini/Micro LEDといった次世代ディスプレイは、2020年でも新型コロナウィルスの影響をそれほど受けずに2桁成長が続くと予測。ただし、2020年時点でこれらの新規マーケットは車載用ディスプレイ世界市場で占めるウェイトが低いため、全体市場をプラス成長に押し上げる材料とはならない見込みだ。

デジタルコックピットは、コスト面や生産面から12.3インチパネル2〜3枚を搭載し、ワイドスクリーンを実現するマルチディスプレイ画面の採用が進むと予測。デジタルコックピットの採用拡大は、大型車載用ディスプレイ、マルチディスプレイ市場を成長させる要因となる。なお、AM-OLEDディスプレイはエンタメパネルの他、現在は大型CID、Cluster向けまで採用が拡大しているため、今後デジタルコックピット向け大型マルチディスプレイ画面向けでも採用が拡大する見通しだ。

将来展望については、2021年より自動車世界生産台数の増加に伴い回復に向かうものの、2020年の減少分をカバーできるような急速な回復は期待しにくく、2019年の市場規模に復帰するのは2022年以降となる見通し。2023年以降、車載ディスプレイ世界市場は年率約5%程度の成長が続き、2028年の車載用ディスプレイ世界市場は2億1692万枚まで拡大すると予測する。