優勝の#12 ウィル・パワー。《写真提供 INDYCAR》

NTTインディカー・シリーズ第10戦、ミッドオハイオ・スポーツカー・コースでのダブルヘッダー“Race 1”が現地12日に実施され、ウィル・パワーが圧勝、今季初優勝を達成した。佐藤琢磨は“浮上ならず”の展開で17位。

前戦終了時点では正式日程が決まっていなかったミッドオハイオ・スポーツカー・コース(ロードコース/米オハイオ州)でのダブルヘッダーが“今日の明日”に近いような格好で9月第2週末に入り、今季第10〜11戦として開催されることになった。レースウイークの土曜日に実施される“Race 1”、予選ではウィル・パワー(#12 Team Penske/シボレー)が通算60回目のポールポジションを獲得し、佐藤琢磨(#30 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)は後方18番手の位置からの決勝スタートに。

決勝レースは大きなアクシデントがないソリッドな展開となり、パワーがポール発進から完勝で今季初優勝を飾った。2度のピットタイミング以外では実質の首位を譲らず、75周のうち66周をトップで走っての通算38勝目だ。終盤は迫り来る雨が唯一の撹乱要素“候補”だったが、結果的にはこれも候補のまま影響を及ぼすことはなく、まさに強い時のパワーの勝ち方、という圧勝劇に終始している。

シリーズタイトル獲得歴があり、インディ500優勝経験もあるパワーだが、昨年9月1日決勝のポートランド戦以来となる丸一年以上ぶりの勝利。「Verizon(自車のメインスポンサー)を再びビクトリーレーンで見ることができたのは素晴らしいことだ。しばらくぶりだからね」と、復活Vの喜びを語っている。

決勝2位はジョセフ・ニューガーデン(#1 Team Penske/シボレー)。シリーズランキング2位のニューガーデンは、今回10位だったポイントリーダー、スコット・ディクソン(#9 Chip Ganassi Racing/ホンダ)との差を76点に詰めた(436対360)。

決勝3位はアレクサンダー・ロッシ(#27 Andretti Autosport/ホンダ)で、彼がホンダ勢最上位。4位は琢磨の僚友グレアム・レイホール(#15 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)、5位にはライアン・ハンターレイ(#28 Andretti Autosport/ホンダ)が入っている。

波乱要素がほとんどない展開のなか、琢磨も浮上の気配ないまま17位でのフィニッシュとなった。「タフなレースでした。たくさんのハードワークをしたのですが、それが結果に反映されることはなかったですね。『ノードラマ』なレース展開ということもありましたから」との旨の談話を琢磨は残している。

琢磨はシリーズランキングでは4位を維持。ただ、今回勝ったパワーが7点差(287対280)に迫り、その後ろにも強敵が僅差で連なっている。シーズン終盤のランキング上位争いは熾烈になりそうだ。なお、目下シリーズ3位のパトリシオ・オワード(#5 Arrow McLaren SP/シボレー=今回11位)と琢磨の差は29点である。

シリーズ第11戦となるミッドオハイオでの“Race 2”は翌日(現地13日)の実施予定。現状のスケジュールでは今季は全14戦となっており、“ミッドオハイオ-2”を含めて残り4戦ということになる。

優勝の#12 ウィル・パワー。《写真提供 INDYCAR》 #30 佐藤琢磨は決勝17位。《写真提供 INDYCAR》 決勝2位の#1 ニューガーデン。《写真提供 INDYCAR》 決勝3位の#27 ロッシ。《写真提供 INDYCAR》 決勝4位の#15 レイホール。《写真提供 INDYCAR》 ポイント首位の#9 ディクソンは今回決勝10位。《写真提供 INDYCAR》 ミッドオハイオ戦はダブルヘッダー、戦いは翌日(現地13日)も続く。《写真提供 INDYCAR》