村田製作所社長、カーエレ向け「大きく落ち込むも、7月に入って受注が回復」…2020年度第1四半期決算

村田製作所は7月31日、2020年度第1四半期(4〜6月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比8.6%減の3267億円、営業利益が同17.9%減の513億円、当時純利益が同15.5%減の395億円と減収減益だった。

売上高は、コンデンサが基地局向けやPC向けで堅調だったが、カーエレクトロニクス向けで大幅に落ち込んだほか、樹脂多層基板やリチウムイオン二次電池がスマートフォン向けで大きく減少した結果、前年同期比で減収。

特にカーエレクトロニクス向けは240億円(35.9%)も減少し、売上高が428億円となった。一方、コンピュータ向けはリモートワークの増加や“巣ごもり消費”によるPCや関連機器向けの部品が94億円(16.1%)増えて680億円となり、売上高を下支えした格好になった。

営業利益は、コストダウン活動による増益要因はあったものの、製品価格の値下がりや替変動の影響などの減益要因もあり、前年同期比で17.9%の減益になってしまった。しかし固定費については、新型コロナウイルスの影響で出張がなくなり、工場への立ち入り制限などもあって、想定以上に減少したそうだ。

オンライン会見を行った中島規巨社長によると、7月に入ってから状況が変わってきているそうだ。「受注動向が5月が4月に比べて5〜10%マイナスだったが、6月は5月に比べて10〜15%プラス、そして7月は6月に比べて35〜40%プラスと大きく回復してきている」と話し、こう付け加える。

「特に4〜6月に大きく落ち込んだカーエレクトロニクス向けが7月に入って大きく改善してきている。通期で考えると、当初予想で落ち着くのではないか。とりわけ主力の積層セラミックコンデンサ(MLCC)は自動車向けの市中在庫が解消されていなかったが、健全な形に戻った」

第2四半期(7〜9月)は3500億円の売上高を想定しているが、7月末の段階でその想定を若干上回っているそうだ。そのため、期初に公表した業績予想、売上高1兆4300億円(前期比6.8%減)、営業利益2100億円(同17.1%減)、当期純利益1500億円(同18.0%減)を据え置いた。営業利益率が14.6%と、コロナ禍でも変わらずに高収益体質を維持しそうだ。

村田製作所のオンライン会見の様子。左が中島規巨社長《写真:オンライン画面から》