#1 ジョセフ・ニューガーデン(写真先頭)が今季初優勝。《写真提供 INDYCAR》

インディカー・シリーズ第6戦の決勝レースが現地18日、「アイオワ・スピードウェイ」にて行なわれ、昨季王者のジョセフ・ニューガーデンが完勝で今季初勝利をあげた。佐藤琢磨はハンドリング不調に陥り、21位に終わっている。

米アイオワ州ニュートンのショートオーバルコース、「アイオワ・スピードウェイ」を舞台にしたダブルヘッダー開催の“レース2”が今季シリーズ第6戦。予選は前日にレース1とレース2のグリッドを連続アタックで決める方式にて実施されており、ポールポジションは昨季王者のジョセフ・ニューガーデン(#1 Team Penske/シボレー)が獲得した。佐藤琢磨(#30 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)は予選20位。

この日のニューガーデンはひとこと、強かった。250周のうち214周をトップで周回してのポール・トゥ・ウイン、ほぼ完全勝利とも評せる内容で今季初優勝を飾る。ディフェンディングチャンピオンが連覇へ向けての反撃の橋頭堡を築いた、そんな印象の一戦とすることに成功している。

今季はホンダ勢とChip Ganassi Racingが先週まで開幕4連勝。シボレー勢とTeam Penskeには厳しい戦況になっていたが、今週のアイオワではレース1でシモン・パジェノー(#22 Team Penske/シボレー)が最後尾23番手発進から優勝し、レース2ではニューガーデンが盤石のポール・トゥ・ウイン、しかも決勝上位1-2-4をPenske/シボレーが占拠した。

これでシーズンの流れが変わる可能性もあるだけに、17年&19年王者ニューガーデンは「本当に良かったよ。バッドラックを遠ざけるために我々は何をすべきなのか、わからないような感じだったからね。これが“スタート”であってほしい」と喜ぶ。この先のニューガーデンの進撃ぶりに注目が集まるところだ。

決勝2位は予選も2位だったウィル・パワー(#12 Team Penske/シボレー)。決勝3位には19番手発進から琢磨の僚友グレアム・レイホール(#15 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)が入り、今回のホンダ勢最上位となっている。

決勝4位はパジェノー。予選でのマシントラブルにより連日の最後尾23番手発進だったパジェノーは、前日の大逆転優勝に続きこの日も4位に入ってみせた。5位はスコット・ディクソン(#9 Chip Ganassi Racing/ホンダ)。ディクソンもパジェノー同様に今週はレースで追い上げている。レース1が予選17位から決勝2位、レース2も予選18位からの決勝5位となった。

今季のインディカーは全14レースが予定されており、6戦を終了した時点でポイント首位はディクソン。これを49点差でパジェノー、53点差(首位との差)でニューガーデンが追う形勢となっている。追うふたりに対するディクソンのリードは通常レースの優勝ほぼ1回分である。

20番手発進だった琢磨は1回目のルーティンピット後、急激なマシンパフォーマンスダウンに見舞われたように見えた。予定外かつ戦略的な狙いでもないと思われるピットインを強いられることになり、上位進出の可能性はレース前半のうちにほぼ絶たれてしまう。最終結果は21位。

#30 佐藤琢磨のコメント
「今日はマシンのハンドリングに大問題が出ていました。オーバーステアがひどく、そのせいで緊急ピットストップを行なわねばならなかったほどです。フロントウイングにはレース中、通常では考えられないほど大きなセッティング変更を加えていきました。まだ(レース直後なので)マシンに何か不具合が出ていたのかを入念にチェックできてはいませんが、本当に厳しいレースになっていました。でも、今日のレースではチームメイト(グレアム・レイホール)が表彰台に上がりました。グレアム、おめでとう。彼はチームにとって素晴らしい仕事をしてくれました」

過酷な3週5レースの超過密日程を終え、次戦第7戦は少し間を置いて8月9日のミッドオハイオ戦(ロードコース)となる。仕切り直しての琢磨浮上に期待したい。

今季初勝利を喜ぶ#1 ジョセフ・ニューガーデン。《写真提供 INDYCAR》 連覇に向けて今季1勝目をマークしたニューガーデン。《写真提供 INDYCAR》 #30 佐藤琢磨は決勝21位に終わる。《写真提供 INDYCAR》 決勝2位の#12 パワー。《写真提供 INDYCAR》 決勝3位の#15 レイホール。《写真提供 INDYCAR》 決勝4位の#22 パジェノー。《写真提供 INDYCAR》 決勝5位の#9 ディクソン(目下のポイントリーダー)。《写真提供 INDYCAR》