第5世代低トルク円すいころ軸受(LFT-V)《画像:ジェイテクト》

ジェイテクトは5月27日、自動車のトランスミッションやデフユニットのピニオン支持などに使用される円すいころ軸受にて、シリーズ最高の低トルク性能と最軽量を実現する次世代製品「LFT-V」を開発したと発表した。

円すいころ軸受は油中で使用されるが、特に「潤滑油粘度が高い」「給油量が多い」「回転速度が高い」といった使用条件となり、軸受のポンプ作用により、潤滑油の攪拌損失が大きくなってしまうという問題があった。ジェイテクトではこの課題に着目し、軸受内部に流入する潤滑油量を抑制することで大幅な低トルク化を実現した「第3世代低トルク円すいころ軸受(LFT-III)」、「第4世代低トルク円すいころ軸受(LFT-IV)」を開発し商品化してきた。

今回、さらなる低燃費化へのニーズに応えるため、樹脂保持器形状の最適化を行い、潤滑油の流入量を最適制御することで、シリーズ最高の低トルク性を実現するとともに、保持器ポケット部に油を保持できる溝を設け、始動時や低温時の耐焼付き性を向上。加えて、昨今の低粘度油化および油量低減を見据えて、軸受内部の油流れの最適化を行うことで、軸受昇温も低減できる「第5世代低トルク円すいころ軸受(LFT-V)」を開発した。

同社では、2022年を目途に第5世代低トルク円すいころ軸受(LFT-V)の量産を開始。国内外自動車メーカー・変速機メーカー等に提案を進めていく。

周辺部品の変更無く,省スペースでの低トルク設計対応が可能になり, 円すいころ軸受-LFTシリーズ最軽量を実現《画像:ジェイテクト》 樹脂保持器形状の最適化により、円すいころ軸受-LFTシリーズNo.1※性能を実現.《画像:ジェイテクト》 軸受性能《画像:ジェイテクト》