ライフログアプリ「SilentLog」《画像 レイ・フロンティア》

イードとレイ・フロンティアは4月23日、東日本大震災で「通行実績情報マップ」公開に尽力した今井武氏をアドバイザーに迎え、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染拡大を防ぐための位置情報の技術活用やテータ提供を推進していくと発表した。

現在、自動車技術会フェロー/筑波大学非常勤講師の今井武氏は、ホンダでカーナビの開発からテレマティクスサービスへの進化までを指揮してきたエキスパート。2011年の東日本大震災では、テレマティクスカーナビとパイオニア・スマートループから集められた位置情報データを用いて「通行実績情報マップ」を公開。その後、この動きにトヨタ、日産も加わりITSジャパンとしての集約データ活用に発展し、後の熊本地震や岡山や千葉の豪雨でも社会インフラとして活躍した。

レイ・フロンティアは、イードの資本業務提携先であり、人工知能による位置情報分析を行う、世界的にも類のない行動分析企業。4月1日に新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が「感染拡大が予測される地域でのクラスター発生を早期に探知する用途等に限定したパーソナルデータの活用も一つの選択肢となりうる」と提言したことに反応し、同社が提供する個人のライフログやGPSの位置情報を記録するiPhone向けライフログアプリ「サイレントログ」の全機能無償開放をすでに始めている。

また、集まった匿名データを分析し、「上野公園のお花見自粛実態調査」「東京駅利用者のピークタイム変化の調査」「北海道および沖縄地区の人口動態比較」「都道府県間の移動者数調査」「愛知県、福岡県の繁華街エリアの動態分析」「外出自粛による観光と医療機関への影響」「外出自粛後の歩数量調査」を相次いで公開。社会における移動量抑制が機能しているかどうかの検証を進めている。
アドバイザーとして参画する今井氏は、「レイ・フロンティア社の位置情報技術が、リスクを感じながらも移動せざるを得ない医療従事者、福祉従事者、行政に携わる人や、生活必需品のサービスに携わるすべての方々の役に立てるよう応援したい」と今回の取り組みへの姿勢を高く評価している。

今後レイ・フロンティアとイードは、今井氏の経験からのアドバイスや個人情報取り扱いの客観的な指摘を受けながら、サイレントログアプリやサイレントログアナリティクスの技術を使った社会貢献、地域貢献に向けた取り組みを強化していく。