向かって右が電通本社、中央左寄りが資生堂本社汐留オフィス。《写真AC》

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

「対応が遅すぎる」「もう手遅れ」などと批判ばかりもしていられないが、政府がようやく重い腰を上げて、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための基本方針を決定した。

きょうの各紙も1面などで大きく取り上げているが、それによると、風邪のような症状で軽症ならば、医療機関にかからずに自宅療養。長時間手が届くくらいの近さで多くの人が会話するパーティや飲み会など、感染しやすい環境に身を置くことを避ける。

さらに、症状がある人の休暇の推奨や、時差通勤やテレワークを進めるなど、企業にも感染拡大防止への協力を求めたという。きょうの読売が「在宅勤務企業動く」などと経済面のトップで報じているが、この政府の基本方針に素早く対応する企業も相次いでいるという。

日産自動車が新型日産『ルークス』の発表会をインターネット中継によるお披露目に変更したことはすでに取り上げたが、広告代理店大手の電通では、50代の男性社員1人が新型コロナウイルスに感染。まん延を防止するため、きょう26日から東京都港区の本社ビルに勤務するグループを含めた全社員約5000人を当面在宅勤務とすることを決めたそうだ。

広告代理店がサポートするイベントなどが中止や延期になり、担当する社員も”開店休業”状態が続いているようだ。

日経などによると、化粧品大手の資生堂でも従業員約8000人を対象に原則出社を禁止すると伝えている。時差出勤やテレワークは、7月に開催予定の東京五輪パラリンピック時の混雑緩和のために、トヨタ自動車など協賛企業にも協力を呼びかけて積極的に取り入れているようだが、新型肺炎の感染症対策で”予行演習”ではなくいきなり本番を迎えるのは想定外。その東京五輪も開催が危ぶまれているのが気に掛かる。

2020年2月26日付

●新型肺炎、流行阻止に重点、「水際」からシフト、政府が基本方針 (読売・1面)

●新型肺炎、在宅勤務企業動く、日産は新車発表ネットで (読売・10面)

●新型「N700S」お披露目、JR東海、22年度まで40編成計画 (読売・10面)

●自動運転民間が誘導機器、国交省法改正 (読売・11面)

●不振の日産1年ぶり新車、売れ筋の軽でテコ入れ (朝日・6面)

●自動運転車量産へ戦略、中国25年までに (朝日・6面)

●新型肺炎、世界同時株安、東証、一時1000円下落 (毎日・1面)

●電通5000人、在宅勤務、本社ビル社員、新型肺炎感染(毎日・6面)

●新型肺炎、Jリーグ全公式戦延期、来月15日まで、巨人2試合無観客(産経・1面)

●習政権経済回復へ舵、中国滞る部品調達・供給網、工場稼働率6割、自動車販売9割減(東京・7面)

●賃金の絶対額重視、大手・中小の格差是正、自動車総連・高倉明会長(日経・15面)

日産ルークス新型発表《写真 日産自動車》