EV用パワーコンディショナー(現行機と実証機イメージ)《画像:三菱電機》

三菱電機は1月29日、電気自動車(EV)用パワーコンディショナーの小型・高効率化技術を開発したと発表した。

EVの電気を家庭で使用する際に必要となるEV用パワーコンディショナーだが、設置するにはその大きさがネックとなるケースもあった。今回、三菱電機は、EV用パワーコンディショナーの小型化と高効率化を両立する技術を開発。試作開発した実証機にて、従来比で、体積の約半減・電力損失の約30%削減を実現した。

実証機は、パワー半導体素子の高速スイッチング化によるパルス周期の短縮化と、3レベルインバーター回路の適用により入力電圧を低下。体積の多くを占めるEVや電力系統に電力を伝送するリアクトルを小型化し、体積で従来比約半減を実現。住宅用車庫などの狭いスペースにも設置できるようになった。

また、出力約3kWのDC/DCコンバーターを2台使う構成とし、出力電力に応じてパワー半導体素子のスイッチング動作を最適化することで電力損失を削減する「高効率制御技術」を開発。1kW以下の低出力時の電力損失を従来比約30%削減し、EV蓄電池の有効利用に貢献する。

三菱電機は今後、小型で高効率なEV用パワーコンディショナーの量産化に向けた開発を進めていく。