2020年のWRCを戦うトヨタの“新チーム”が東京オートサロンに結集。《撮影 遠藤俊幸》

世界ラリー選手権(WRC)に参戦するトヨタ(TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team)が10日、東京オートサロンにてプレスカンファレンスを開き、開幕間近な2020年シーズンに向けての意気込みや展望を披露した。

「東京オートサロン2020」オープニングデーの幕張メッセ、午前中は『GRヤリス』の公開に沸いたTOYOTA GAZOO Racingのブースにおいて、午後はWRC参戦体制等についてのカンファレンスが実施された。GRヤリスの開発に多くの知見を注ぎ込んだ源流的活動こそがWRC、ということについては、もはや説明不要だろう。

ワークス参戦再開4年目となる2020年シーズンをトヨタ「ヤリスWRC」で戦うレギュラー布陣等は、昨年のうちに発表済み。レギュラー参戦の3台がいずれもクルー刷新となり、6冠王セバスチャン・オジェ、実力派エルフィン・エバンス、新進気鋭カッレ・ロバンペラという新たなドライバーラインアップでトヨタは新シーズンに臨む。

18年にマニュファクチャラーズタイトルを、19年にはドライバー&コ・ドライバーの両タイトルを獲得したトヨタ。今季狙うのは、復帰後初となるタイトル独占である。チーム総代表の豊田章男トヨタ社長は、ステージに揃った3組のドライバー&コ・ドライバーやトミ・マキネン(チーム代表)らを背に、「今季の3台は、誰がいつ(どこで)勝ってもおかしくない、そういう布陣を整えられました。総合力は昨年よりも上がっていくと思います」と話し、“新チーム”への大きな期待感を示した。

注目度の高いドライバーが揃う2020年のトヨタ。なかでもスポットライト強まる存在は、2013〜18年にドライバーズタイトル6連覇を果たし、今季はトヨタで“奪冠”を目指す立場にあるオジェだろう。復権を期す“絶対王者”はこう語る。

「ドライバーというものは、常に戦闘力の高いマシンで走りたいと思うものだ。近年のトヨタは素晴らしい仕事をしてきており、そのトヨタで戦えるのは自分にとって素晴らしくエキサイティングなことだよ。さらなる成功を得るためにトライする。7回目の王座も意識しながらファイトしていきたい」

ベテラン、中堅、若手とバランスの取れたトヨタ新布陣。とはいえ、やはり中心になって引っ張っていくのはオジェか。高次元の切磋琢磨と状況に応じての共闘姿勢がトヨタ全冠制覇のカギになるかもしれない。

また、今季は日本期待の勝田貴元がシーズンの半分以上にあたる8戦でヤリスWRCを駆ることも大きな注目点ポイントだ。その勝田も登壇し、「錚々たる3組のクルーと一緒にここにいることを光栄に思います。今年後半から来年に向けて、この選手たちと同じようなところで争えるように経験を積んでいきたいです」との決意を語った。

そして勝田は、10年ぶりの復活を迎えて東海地域では初開催となるラリージャパン(勝田も参戦予定)に向けても熱い意気込みを話す。「多くの人に見に来てもらいらいですし、その前でいい走りをしたいと思います」。

WRCのシーズンオフは短く、今月下旬にはもう開幕戦を迎える。2020年シーズンは1月23〜26日に伝統のラリーモンテカルロで幕を開け、11月19〜22日、愛知・岐阜で開催される最終戦ラリージャパンまで続いていくこととなる。

豊田社長とドライバー陣。前列左から豊田社長、オジェ、エバンス、ロバンペラ、勝田。《撮影 遠藤俊幸》 意気込みを語るセバスチャン・オジェ(前列右端)。《撮影 遠藤俊幸》 左から、ロバンペラのコ・ドライバーであるJ.ハルットゥネン、エバンスのコ・ドライバーであるS.マーティン、オジェのコ・ドライバーであるJ.イングラシア、トヨタ首脳の友山茂樹氏、チーム代表のトミ・マキネン。《撮影 遠藤俊幸》 2020年のWRCを戦うトヨタの“新チーム”が東京オートサロンに結集。《撮影 遠藤俊幸》 2020年は10年ぶりにWRC日本戦が開催される年でもある。《撮影 遠藤俊幸》 2020年仕様「トヨタ・ヤリスWRC」の公開画像。《写真提供 TOYOTA》 2020年仕様「トヨタ・ヤリスWRC」の公開画像。《写真提供 TOYOTA》 2020年仕様「トヨタ・ヤリスWRC」の公開画像。《写真提供 TOYOTA》 2020年仕様「トヨタ・ヤリスWRC」の公開画像。《写真提供 TOYOTA》