高耐熱リチウムイオンキャパシタ《画像:ジェイテクト》

ジェイテクトは、高耐熱リチウムイオンキャパシタの量産を同社花園工場(愛知県岡崎市)で開始したと発表した。

キャパシタとは、物理的に電力を充放電する蓄電池。蓄電容量は限られているものの、一度に高いエネルギーを放出する瞬発力が特徴だが、リチウムイオン二次電池同様、耐熱性に課題がある。車両に搭載するために要求される環境温度は、車室内であれば−40度から85度だが、ジェイテクトは特許技術によりこれをクリア。出力する上限電圧を制限することで105度まで高温環境でも使用できる。

ジェイテクトは、この高耐熱リチウムイオンキャパシタを2017年5月、人とくるまのテクノロジー展にて、電動パワーステアリング(EPS)の補助電源装置として開発・発表。従来のキャパシタをはじめとした蓄電デバイスと比較して低温・高温いずれでも高い温度特性を持つことから、EPSの補助電源だけでなく、自動運転車両のバックアップ電源としての用途も期待されている。

ジェイテクトでは今後、キャパシタ単体販売、バランス回路を組み合わせたモジュール販売、充放電コントローラーも組み合わせたシステム販売を行うことを計画。さらに自動車領域以外の工作機械、建設機械、鉄道、発電装置、交通インフラなど様々な領域への提案を行い、補助電源、予備電源、発電装置の機能安定化、電源回生、メイン電源など、あらゆる産業のエネルギー効率の向上、環境性の向上などに貢献できる製品として拡販を進めていく。

耐熱性能《画像:ジェイテクト》 ジェイテクト花園工場《画像:ジェイテクト》