新井敏弘選手のWRX STI。サスの設定が合っていないのか、手前の小さいギャップでフロントイン側のタイヤが浮いてしまっている《撮影:中尾真二》

ラリーの魅力は、市販車ベースの改造車が街中や大自然の中を全開で駆け抜けること。山岳地が多く都市の人口密度が高い日本では、昔からラリーといえば林道だ。スタジアムなどを使ったスーパーSSも悪くないが、林道コースならではの楽しみもある。

ACCRセントラルラリー愛知・岐阜の林道SSも、国内格式ラリーの特徴をよく表している。川沿い、渓谷沿いの細かい屈曲が多い道。道幅も1.5車線から2車線ぎりぎり。しかも、交通量の少ない林道は、舗装されていてもあまりいい状態ではない。この時期、落ち葉や小枝などが路上に積もっており、走行ラインはさらに限られる。海外勢でなくても手こずる道が多い。

SS8は、稲武方面の貯水ダム周辺の林道を使ったコース。前半はハイパワー車にはむしろ苦しいコーナーが続く難所だ。ダム湖周辺の道路なので、もともとは渓谷なので当然だ。中盤のギャラリーステージ手前あたりから道幅は広くなるが、道幅全体を使えるわけではなく、スピードコントロールが難しい。

だが、国際格式部門、国内格式部門ともに上位陣は、安定した走りを見せる。2日目の2本目となるSS8終了時点の順位は前日と大きく変わらない。ステージトップタイムは、勝田貴元選手のトヨタヤリスWRCの9分58秒2。2位は、新井大輝選手のシトロエンC3 R3は10分29秒2。3位は福永修選手のシュコダファビアR5の10分43秒6。SS8の総合4位は86を駆るヘイキ・コバライネン選手の11分11秒9。

海外のラリーでは、SS内でも観客が比較的自由にコースに入れることもあるが、国内の場合、コース近くの役所や公共施設に自家用車をプールして、シャトルバスでギャラリーステージまで移動する。大きなイベントでは、ギャラリーステージに仮設トイレが設置されるが、コースや場所の関係でトイレが設置できないギャラリーステージもある。また、バスで移動したあとは、全車の走行が終了しコースクリアが確認されないと観客(メディアもだが)は移動できない。林道コースのギャラリーステージでの観戦は、水、食料、折りたたみ椅子、ブルーシートは必須だ。

トヨタヤリスWRC《撮影:中尾真二》 新井大輝選手のシトロエン《撮影:中尾真二》 ACCRセントラルラリー愛知・岐阜2019《撮影:中尾真二》 ACCRセントラルラリー愛知・岐阜2019《撮影:中尾真二》 ACCRセントラルラリー愛知・岐阜2019《撮影:中尾真二》 ACCRセントラルラリー愛知・岐阜2019《撮影:中尾真二》 ACCRセントラルラリー愛知・岐阜2019《撮影:中尾真二》 ACCRセントラルラリー愛知・岐阜2019《撮影:中尾真二》 ACCRセントラルラリー愛知・岐阜2019《撮影:中尾真二》 ACCRセントラルラリー愛知・岐阜2019《撮影:中尾真二》 ACCRセントラルラリー愛知・岐阜2019《撮影:中尾真二》 AE86も走っている《撮影:中尾真二》 0カーが通過すると、競技車両がやってくる《撮影:中尾真二》 ACCRセントラルラリー愛知・岐阜2019《撮影:中尾真二》