決算を発表するスバルの中村知美社長《撮影 池原照雄》

SUBARU(スバル)が11月6日に発表した2020年3月期の第2四半期(4〜9月期)連結決算は、主力の米国販売が好調で営業利益は948億円(前年同期比68%増)と大幅増益になった。

ただし、リコール費用が想定以上に発生したため、通期予想は下方修正した。第2四半期の増益は2期ぶり。同期のグローバル連結販売も4%増の50万4000台となって2期ぶりに増加した。前年は米国で『フォレスター』が新モデルへの切り替え時期となったほか、日本も完成検査問題などもあってグローバルで苦戦していた。今年は米国がフォレスターなどの好調で11%増の33万6000台と過去最高になり、全体をけん引した。

販売の増加やそれに伴うインセンティブ抑制などによる営業増益効果は196億円となった。インセンティブの改善は173億円にのぼる。また、研究開発費は今期から国際財務報告基準(IFRS)を適用したことで、158億円の増益に作用した。一方で為替は対米ドルやユーロなどの円高により通貨全体では63億円の減益要因になった。売上高は1兆6057億円(8%増)、純利益は683億円(58%増)だった。

通期予想は、国内外でのリコールに伴う費用が従来の想定より約650億円上振れしたため、下方修正した。営業利益は400億円減額の2200億円(前期比21%増)、純利益は470億円少ない1630億円(15%増)とした。為替も通期で1ドル107円と従来比3円の円高に見直し、通貨全体で412億円の営業減益要因になる。

記者会見した中村知美社長は、第2四半期業績について「今年度は冒頭から仕切り直しとして取り組んできた。リコールなかりせばそれなりの実績を残せたが、こうした結果は残念で忸怩たる思い」と述べた。一方で「米国は需要が弱含みのなかでアセントや新型フォレスターが好調で着実な成果をあげている。今年暦年では70万台(前年比3%増)の目標を掲げているが、行けそうだ。下期から新型レガシーとアウトバックも加わり、販売のモメンタムは維持できている」との見解も示した。

また、台風の影響によって10月に国内生産が停止し、1万1000台の影響を受けたものの「通期の計画で見れば挽回できる」と、説明した。

スバル・フォレスター(北米仕様)《photo by SUBARU》 スバル・アセント《photo by SUBARU》