トヨタ自動車(東京モーターショー2019)《撮影 雪岡直樹》

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

東京ビッグサイトなどで10月24日から一般公開していた東京モーターショー2019が閉幕した。国内の自動車メーカーや部品会社以外にもパナソニックやNTTなどの異業種の参加やドローンショーなど「客層」を広げる多彩なイベントが繰り広げられ、会期中のお台場周辺は人混みであふれかえるほど。とくに、休日は子ども連れのヤングファミリー層が多く、注目の展示車両の前には黒山の人だかりができて、クルマの確認がほとんどできない混雑ぶりだった。

気になるのは、主催する日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)が開催前の記者会見で「来場者100万人目標」をぶち上げたが、それが達成できたのかどうかである。例年ならば、1日ごとに集計して閉会直後には会期中の総来場者数を発表していた。だが、今回は会場が分散していたことや、有料エリア以外にも無料エリアを設けたことで集計に時間がかかったことなどを理由に1日ごとの集計結果を含め、速報ベースでの公表は見送られた。

従って、きょうの各紙には「東京モーターショー閉幕」の記事は見当たらない。ただ、11月2日には、トヨタが自社のブースで開いた「トヨタ経営会議」と題するイベントで、豊田氏が、いち早く「開催中の東京モーターショーの来場者数が100万人に達する見通しとなった」と述べたことからも、翌3日朝刊でも日経などが取り上げていた。

しかも、記事では「豊田社長は取材に応じ『有料の来場者数だけでも100万人いくと思う』と述べた。メイン会場が2カ所に分かれたことで『(来場者に)不都合をかけたがカイゼンも重ねた』と指摘。『世界に向けてもいろんな発信ができるスタートにできる』と次回以降も存在感を高めていく意欲を示した」などと伝えていた。

想定以上に集計に手間取っていることで主催者側の正式発表はこれからのようだが、まさか、このハイテク時代にバードウォッチングで渡り鳥をカウントしているわけでもないだろう。それでも最終日を待たずに「目標到達」のめどがついたのは、関係者にとっては嬉しい悲鳴ではないのか。

今回、ブースの中には「未来のお祭り」を掲げて人間を主役に変わった仕掛けで「為せば成る」を実感したようだが、それをベースに、次回の東京モーターショーがさらにどんな変身を遂げるのかどうか、今から興味津々だ。

2019年11月5日付

●RCEP来年署名目標、首脳会議共同声明、インド不参加表明(読売・1面)

●米、車追加関税回避か、EU年頭、商務長官「必要ないかも」(読売・7面)

●ワイパーの動きで雨量補捉、トヨタとウェザーニュース(読売・7面)

●停車時含め「危険運転」判断は、東名あおり運転、あすから控訴審(朝日・27面)

●独VWの主力EV ID・3量産開始(東京・6面)

●社説・車の再編「弱者連合」では困る(日経・2面)

OPEN ROAD(東京モーターショー2019)《撮影 安藤貴史》 スバル(東京モーターショー2019)《撮影 雪岡直樹》