![スバルのスペシャルショップに入庫した一台の初代プレジデント。《撮影 中込健太郎》](https://image.e-nenpi.com/article_images/201910/327079/1458479.jpg)
国道19号線、岐阜県中津川市にある中津スバル販売は、地元はもとより全国にファンを抱えるスバル車のスペシャルショップだ。そんなお店に初代の日産『プレジデント』が入庫した。
盲目的にスバル車を礼賛し、薦めるのではなく、自動車とは牛馬に変わる省力化装置の一つであり、合理性という観点で、スバル車の優位点を挙げ、信頼を獲得しスバルのファンを増やしてきた代田社長。「他所と同じことをしていてもつまらない。独自性を出した結果、全国から買いに来ていただけるようになっただけ」と話す。そういう過程で、販売したスバル車はもとより、それ以外のクルマに関する相談も実は少なくないのだそうだ。
今回見せていただいたプレジデント、古いと言う理由だけでなく、生産期間が長かった2代目に比べて、希少性も高く、「岐33」ナンバーを今に引き継ぐ。ショーファードリブンで外装色は黒が圧倒的に多かったこの車種にあって、この個体は白い外装色とレザートップを組み合わせた非常に珍しい仕様だ。スバルオーナーの実家で、1台用のシャッター付きガレージに長年保管されてきたクルマなのだという。
「前のオーナーが亡くなったりして、全く乗れていない状況なので、朽ちてしまう前に手放そうかということで、私のところに相談が来ました。車検もここ数回は、辛うじて継続させて、ナンバーを絶やさないようにすることに主眼を置いた管理状態でした」
「走らせようとすればやらなければならないことはそれなりにある状態でしたが、簡単に調整することでエンジンも一発でかかりますし、走行できる状態に。内装の状態もきれい。ブレーキなどは、今のクルマと仕組みが違いますから少々慣れが必要だけど、貴重なクルマなだけに、大事にしてくれる嫁ぎ先が見つかればいいなと思っているところです」
キャブレター車なので、様子を窺うように、エンジンに火が入るところでアクセルペダルをやさしく踏み込むと、重厚で柔らかい、しかしどこか金属質なV8エンジンはすぐに目を覚ます。社長のドライブで秋の気配が少しづつ強まっている中津川市街を少しドライブ。「堂々としているけど、今のクルマに比べると小さいね。こりゃ面白い」。ハンドルを握る社長は少年のようににこにこしながら勝手知ったる道をドライブ。かれこれ半世紀前のクルマがこんなにも滑らかで、静かなことに正直驚かされた。
「うちはスバル車専門だからお客様でもこのクルマに興味があるという人はそんなにいなくて。実はかつては、整備をうちでやったりしたこともあって、クラシックカーイベントに出たようなこともあったんです。そんなこともあって、放っておけなくて」
「本当はこのナンバーを引き継げる岐阜の方がいいのだけれど、機械だから、大切にしてくれて、そしてある程度コンスタントにエンジンをかけて乗ってくれる方がいいでしょうね。せっかくうちに預けてくださったので、どなたかいい嫁ぎ先を見つかればよいなと思うのですが」
![アルシオーネと、アルシオーネSVXに囲まれてプレジデントが佇む。《撮影 中込健太郎》](https://image.e-nenpi.com/article_images/201910/327079/1458480.jpg)
![社長のドライブでお店の周りをドライブ。すぐにV8エンジンが目を覚ます。《撮影 中込健太郎》](https://image.e-nenpi.com/article_images/201910/327079/1458481.jpg)
![国道19号線と旧中山道に挟まれたお店「走り始めたら燃料が回り始めるから、この坂道は古いクルマにはちょうどいいな。」と代田社長。《撮影 中込健太郎》](https://image.e-nenpi.com/article_images/201910/327079/1458482.jpg)
![専用のガレージを設けあ額屋根下保管されていたというだけあって、年式を感じさせない内装。《撮影 中込健太郎》](https://image.e-nenpi.com/article_images/201910/327079/1458483.jpg)
![ものすごく大きなクルマのようだが、こうした細い道も全く持て余さない。《撮影 中込健太郎》](https://image.e-nenpi.com/article_images/201910/327079/1458484.jpg)
![端正なフォルム。初代プレジデントはかなり貴重な存在だ。中でもホワイトでレザートップというパーソナルユースの雰囲気を持つ一台。当時でも決して多くはなかったであろうコーディネーション。《撮影 中込健太郎》](https://image.e-nenpi.com/article_images/201910/327079/1458485.jpg)
![派手さはないが、丁寧でたっぷりと余裕を持った作りの車内。《撮影 中込健太郎》](https://image.e-nenpi.com/article_images/201910/327079/1458486.jpg)
![Full Automaticの文字が誇らしい。当時は6気筒モデルも併せてラインナップされ、マニュアルも選べた。《撮影 中込健太郎》](https://image.e-nenpi.com/article_images/201910/327079/1458487.jpg)
![流石はショーファードリブンを想定して作られたリムジン。後席の足元の広さは相当に広大。《撮影 中込健太郎》](https://image.e-nenpi.com/article_images/201910/327079/1458488.jpg)
![シンプルなようで丁寧にデザインされているのがわかる。《撮影 中込健太郎》](https://image.e-nenpi.com/article_images/201910/327079/1458489.jpg)
![外装など、経年や、日常使用による補修をした方が良い箇所も散見されるものの、内装はレザーの状態なども含めかなり奇麗だ。《撮影 中込健太郎》](https://image.e-nenpi.com/article_images/201910/327079/1458490.jpg)
![後席には左右独立でシガーライターが備わる。時代を感じさせる。《撮影 中込健太郎》](https://image.e-nenpi.com/article_images/201910/327079/1458491.jpg)
![6気筒モデルも用意された初代プレジデント。V8モデルには誇らしいエンブレムが備わる。《撮影 中込健太郎》](https://image.e-nenpi.com/article_images/201910/327079/1458492.jpg)
![ホイールのデザインにも当時の日産のフラッグシップカーの誇りを感じさせる。《撮影 中込健太郎》](https://image.e-nenpi.com/article_images/201910/327079/1458493.jpg)
![最近ではユーザーからの直接買取がほとんどと言うスバル車の在庫も豊富。こだわりの仕様を持つクルマなど並び、全国からここを訪れるファンが後を絶たない。《撮影 中込健太郎》](https://image.e-nenpi.com/article_images/201910/327079/1458495.jpg)
![非売品のものも含め、貴重なスバル車で常に一杯のガレージ。《撮影 中込健太郎》](https://image.e-nenpi.com/article_images/201910/327079/1458496.jpg)