大型移動式防護車両 (左:走行時、右:作業時)《画像:NEXCO中日本》

NEXCO中日本のグループ会社である中日本ハイウェイ・メンテナンス名古屋は9月25日、交通規制内に誤進入する車両から作業員を守る「大型移動式防護車両」を東邦車輛と共同開発したと発表した。

交通規制を伴う高速道路の路上作業中に、通行車両が規制区域内に誤って進入して、工事車両や工事規制器材に衝突する事故がここ数年大幅に増加。作業員が死亡または負傷する事故も発生しており、路上作業員の安全確保が重要な課題となっている。このため、同社グループでは、これまでも「緊急遠隔しらすんだー」や「エアバッグ式安全チョッキ」などを開発し、路上作業員の安全対策に取り組んできた。

今回開発した大型移動式防護車両は、規制区域内に誤って進入してきた車両から直接防護できる作業スペースを確保することで、路上作業時の安全性を高めることが目的。大型の移動式防護車両は既に米国で活用されているが、日本の各種法令に適合しない部分もあるため、今回新たに開発することとなった。

大型移動式防護車両は、保護ビームを伸縮させることで、約10メートル×2メートルの作業スペースを確保できるほか、保護ビームを左右に移動できるため、走行車線規制、追越車線規制のどちらでも利用可能。車体後部には衝撃緩衝装置を装備し、その後方に防護車両を配置することで、万が一通行車両が後方から追突した場合でも作業スペースを防護できる。現在、メンテ名古屋が実施している交通規制を伴う路上作業の約4割に活用でき、作業員の安全性向上や工事規制作業の省力化が期待できる。

NEXCO中日本では今後、メンテ名古屋が実施する交通規制を伴う維持修繕業務の中で、大型移動式防護車両を試行的に活用し、実用化を目指していく。また、10月8-9日に東京で開催される「ハイウェイ・テクノフェア2019」に大型移動式防護車両を出展する予定だ。

走行車線規制の車両配置イメージ《画像:NEXCO中日本》 大型移動式防護車両の構成《画像:NEXCO中日本》 追越車線規制の車両配置イメージ《画像:NEXCO中日本》 アイコンNEXCO中日本《画像:NEXCO中日本》