CEATEC実施協議会エグゼクティブプロデューサーの鹿野清氏《撮影 山田清志》

CEATEC実施協議会は9月20日、「CEATEC 2019」についての記者説明会を都内で開催した。会期は10月15日〜18日の4日間で、会場は例年通り幕張メッセ。昨年を上回る750社以上が出展を予定し、会場も1ホール増やし、2〜8ホールの計7ホールで開催される。

2000年にエレクトロニクスショーとCOM JAPANの2つの展示会が統合され、「CEATEC JAPAN」となってから今年で20年目の節目を迎える。その間、厳しい時期を迎え、迷走したときもあったが、2016年にCPS/IoTへと新しい展開に打って出て、出展社数も来場者も増加傾向にある。そして、今年はイベント名から「JAPAN」を外して「CEATEC」となった。

「展示を『見て』、コンファレンスを『聴いて』、未来の社会を『感じて』『考えて』、共創に向けて『動き出す』ことをして欲しい」と同協議会エグゼクティブプロデューサーの鹿野清氏は訴え、各社の展示もパネルなどの展示から体験型に変わってきたという。

鹿野氏によれば、20周年ということで特別企画もあるそうだ。その目玉とも言えるのが、ハンドルのない自律走行バスの実証実験だ。このバスはGPSで車両の位置を把握する機能と3DLiDARで周辺の障害物を検知する機能を備え、事前に設定したルートを自律走行できる。今回の実証実験では、整理券を取得した一般客を乗せて幕張メッセ周辺の公道約1500mを約15分かけて走るそうだ。

また、今回は会場のレイアウトを大きく変更する。これまでホールごとにカテゴリーを分けていたが、今回はホールを横断する形でカテゴリーを3つの帯状に分割。例えば、手前の駅側にはデバイスや部品などのメーカーが並ぶ「デバイス &テクノロジー」の通りがあり、海側には大手家電メーカーなどの「トータルソリューション」の通りがある。そして、その中間に超スマート社会をイメージした「ソサイエティ5.0タウン」、スマートファクトリーやスマートモビリティのエリア「スマートX」がある。

「こうすれば、行ったり来たりしないで一筆書きで回れるんじゃないかと思う」とは鹿野氏の弁だが、街にある商店街をイメージしたようだ。

今回も企画展示の一環として、昨年に続いて「コクリエーション パーク」を設置。昨年は海外のスタートアップ企業が集まっていたが、今年は国内外のスタートアップ企業や研究機関が軒を連ねる。今年は昨年の米国、インドに加え、新たにフィンランド、スイス、ロシアがパビリオンを構える。

また、今回の新たな試みとして「学生交流ラウンジ」コーナーを設ける。これは昨年の来場者の中に学生が予想以上に多かったためだが、「学生の方に集まってもらい、そこで企業のトップの方に目の前で講演してもらったり、先輩と交流してもらえればと考えている」と鹿野氏。

講演も目白押しで、ANAホールディングスの片野坂真哉社長、JTBの田川博己会長、ジャパンタクシーの川鍋一朗社長、ファナックの稲葉善治会長、竹中工務店の佐々木正人社長らの講演が予定されている。「昨年は15万6000人の来場者で目標の16万人に届かなかったが、今年こそ達成したい」(CEATEC実施協議会)そうだ。

CEATEC 2019の会場案内図《撮影 山田清志》 会場の幕張メッセ《撮影 高木啓》