トラモン(名古屋オートモーティブワールド2019)《撮影 小松哲也》

中国・重慶市のスタートアップ企業、トラモンは9月18日にポートメッセなごやで開幕した第2回名古屋オートモーティブワールドに、自動運転向け衝突警告システムを世界初公開している。

今回公開したシステムは、ヒトの視覚メカニズムを元にアルゴリズムによって距離の測定と画像認識する米国・ハーバード大学発の独自技術を活用することで、ディープラーニングが不要なため低コストを実現するとともに、真正面だけでなく、斜め、側面の衝突予測にも対応できるのが特徴という。

システムは汎用品のカメラに小型ディスプレーとコントロールユニットで構成され、カメラが障害物をとらえると、ディスプレー上と警告音で衝突の可能性を知らせるようになっている。現時点では1方向に対してコントロールユニットがそれぞれ必要となるが、画像処理能力を上げれば複数のカメラ映像を1つのコントロールユニットで制御できるようになるとしている。

トラモンのヤン・リューCEOは「もともと視覚障がい者向けのウェアラブル衝突警告端末として製品化を進めていたが、毎年全世界で120万人が交通事故死していることから、この技術を自動車にも活用すれば、さらなる社会貢献になると考えた」と語る。

同システムは、トラモンが資本を受け入れている重慶にあるバスサービス会社で実証実験済みで「国家レベルの当局の認証を経た上で、2019年末からバスサービス会社が保有するバスおよびタクシーに搭載される予定になっている」という。

ちなみにトラモンの社名は、リューCEOが漫画『ドラえもん』のファンであることと、かつて東京・虎ノ門で勤務していたことに由来しているとのことだ。

トラモン(名古屋オートモーティブワールド2019)《撮影 小松哲也》 トラモン(名古屋オートモーティブワールド2019)《撮影 小松哲也》 トラモン(名古屋オートモーティブワールド2019)《撮影 小松哲也》 トラモン(名古屋オートモーティブワールド2019)《撮影 小松哲也》