シトロエン・アミワン《photo by Citroen》

シトロエン(Citroen)は、7月4日に英国で開幕する「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2019」に、創業100周年を記念する2台のコンセプトカー、『アミワン』(Citroen AMI ONE)と『19_19コンセプト』(Citroen 19_19 Concept)を出展すると発表した。

シトロエンは1919年に創業し、今年、ブランド誕生100周年を迎えた。シトロエンはグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2019も、創業100周年を祝う場に位置付け、2台の創業100周年記念コンセプトカーを出展する。

◆アミワンは航続100kmのシティコミューターEV

アミワンは、都市のモビリティに関して、シトロエンのビジョンの「移動の自由」を表現するコンセプトカーで、2名乗りの小型のシティコミューターEVになる。EVパワートレインは、最高速45km/hの性能を可能にするモーターを搭載する。バッテリーはリチウムイオンで、フロア下に平らにレイアウトされる。1回の充電での航続は最大100kmだ。バッテリーの充電は、およそ2時間で完了する。走行音が静かなEVのため、歩行者などに対する警告音として、男性と女性の声を融合した音楽が流れるシステムを装備している。

ボディサイズは、全長2500mm、全幅1500mm、全高1500mm。車両重量は425kgに抑えられた。最小回転半径は4mと取り回し性に優れる。シトロエンによると、アミ ワンはバスや地下鉄、路面電車などの公共交通機関や、二輪車、自転車、スクーター、キックスクーターなどの代替手段として開発したという。最新の一部シトロエン車に導入されている「エアバンプ」が装備され、車体を損傷から保護する。

◆5分の短時間からカーシェアリングが可能

アミ ワンは柔軟に利用できるのが特長で、キーワードは「5」だ。アミワンは5分という短時間のカーシェアから利用でき、5時間や5日間のレンタル、5か月間や5年間の長期リース契約、車両の購入まで、カーシェアからレンタル、購入と、柔軟なオンデマンドでの利用形態を提案する

アミ ワンでは、スマートフォンがマン・マシン・インターフェイスの中心になる。ドライバーはスマートフォンを使って、アミ ワンにアクセスする。青いゴム製革紐が付くドアハンドルのQRコードにスマートフォンをかざし、車両のロックとアンロックを行う。キャビンへのアクセスを容易にするために、運転席側には逆ヒンジ式のドアを採用した。車内に乗り込み、スマートフォンを専用の場所に置くと、ワイヤレスで誘導充電が行われる。

ステアリングホイールのボタンを押すと、音声アシスタントが起動する。アプリのメニュー操作も、このボタンで行う。5インチのスクリーン一体型メーターパネルには、速度などの情報を表示する。「ドライブポッド」の右側には、スタートボタン、警告ボタン、オートマチックギアセレクター、音量調節付きのBluetoothスピーカーが配置される。助手席側には、ハンドバッグなどを収納するスペースが設けられた。手動で開くキャンバストップが装備されており、ルーフを開けて走行することも可能だ。

アミワンでは、シトロエンが属するPSAグループが開発したモビリティサービス向けアプリ、「Free2Move」のEV専用サービスに対応する。専用サービスのひとつが、「充電パス」だ。ユーザーは自分の車両に対応する充電ステーションを見つけて、利用することができる。現在地からの距離、充電料金、充電スピードなどに基づいて、充電ステーションを選択してくれる。充電ステーションが選択されると、車載のインフォメーションディスプレイに、最適なルートを表示する。

「トリップ・プランナー」も専用サービスだ。バッテリーの残量や速度や空調などの状況に基づいて、ドライバーに最善のルートを提案する。ユーザーはトリップ・プランナーの案内に従い、充電ステーションに立ち寄る。充電時間を含めたドライブ時間を予測して、ドライバーに知らせてくれる。

◆19_19コンセプトは462hpのツインモーター搭載

もう1台の19_19コンセプトでは、AI(人工知能)を備えた自動運転のEVを提案する。EVパワートレインは、フロントアクスルとリアアクスルに、それぞれモーターを搭載し、4輪を駆動する。システム全体で最大出力462hp、最大トルク81.6kgmを引き出す。強力なモーターは、最高速200km/hの性能を可能にした。

バッテリーは蓄電容量が100kWhと大容量だ。この効果で、WLTP計測モードによる航続は、800kmを確保した。急速充電にも対応しており、20分で600km走行分のバッテリー容量を充電できる。誘導充電システムも装備している。

◆透明なカプセルデザイン

19_19コンセプトは、ヘリコプターにインスパイアされた透明なカプセルデザインを採用する。フロントドアはブラックパネルで覆われており、車両に近づいてくるドライバーのインタフェースとして機能する。例えば、ドアのロックやロック解除をアニメーションのグラフィックメッセージで案内し、乗員と車両の対話を追求する。フロントには、フルLEDライトが装備された。

タイヤはグッドイヤーと共同開発された。直径930 mm、サイズは255/30R30という30インチの大径タイヤを履く。ルーフには、2つのLiDARセンサーが装備されており、自動運転を可能にしている。

ボディサイズは全長4655mm、全幅2240mm、全高1600mm、ホイールベース3100mm。ロングホイールベースにより、大容量のバッテリーを搭載することが可能になった。サブフレームは、スケートボードのように設計されており、バッテリーなどの技術コンポーネントが意図的に見えるように設計している。

インテリアは、リビングルームとしてデザインされた。スタイルソファ、長椅子、オットマン、読書用のアームチェアで構成されている。乗員は移動中、本や雑誌を読んだり、ビデオゲームをしたり、食事したり、音楽を聴いて共有したり、映画を観たりしてくつろぐことができる。

ダッシュボードには、乗員のニーズを予測するパーソナルアシスタントを装備した。デジタルスクリーンやメーターパネルではなく、運転席の視野に必要な情報をすべて表示する。一方、完全自動運転モードでもステアリングホイールは存在したままで、必要に応じてドライバーが手動運転に切り替えることができる。Bピラーを廃しており、すべての乗員が快適にキャビンにアクセスすることを可能にしている。

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