タイムズ24がカーシェアで導入するEVとカーシェア事業部の齋藤章部長《撮影 山田清志》

貸駐車場を運営するタイムズ24は6月26日、東京都品川区の本社でカーシェアリング事業についての記者説明会を行い、電気自動車(EV)を2020年1月までに100台導入すると発表した。その結果次第では、さらにEVの導入台数も増やすという。

同社は2009年にマツダレンタカーをグループ化したのを機に、カーシェアリング事業を本格的にスタートした。その元になったのは、創業者である西川清氏の思い、「山手線内のタイムズにEVを配備すれば移動が便利になるのではないか」だったという。

以来、現在まで順調に成長し、日本全国で1万2000以上のステーション、車両台数2万500台超、会員数120万超を数えるまでになった。特にここ数年は急速に拡大し、「昨年6月に100万人の会員を達成し、大きなインパクトになった」とカーシェア事業部の齋藤章部長。

そして、今年は10年目の節目を迎える。そこで、新たな挑戦に打って出ることになった。それはEVを2020年1月までに100台導入するというものだ。まずは東京都、神奈川県、埼玉県を皮切りに大阪府など全国に展開していく。

「このまま手をこまねいていると、またブームで終わってしまうのではないかという懸念もあり、誰かが腹を決めてやってみることが意義のあることではないかと考え、今回思い切って100台導入する決定をした」と齋藤部長は話し、「環境性能だけでなく加速性などにも優れたEVの乗車体験を多くの方に提供し、EV拡大の一助にしたい」と付け加えた。

今回のEV導入では、鉄道や行政機関との連携を進めていくことをはじめ、社用車のEVカーシェア化も同時に働きかけていくそうだ。また、一部のEVではWiFiサービスを行っていく。というのも、カーシェアを利用する人のなかに、クルマを走らせずに車内を“作業空間”として活用する人がいるからだ。

利用料金については、まだ検討中とのことだが、プレミアム(15分412円)になる可能性が高いそうだ。車両は日産自動車『リーフ』だが、お客の要望を聞いて、変えていく可能性もあるという。

今後については「万が一の場合に駆けつけられる体制やタイムズ以外の充電スタンドの設置状況を踏まえ、お客さまの支持を得ながらやっていきたい」と齋藤部長。いずれにしても、しばらく様子を見て行く方針で、EVのカーシェアが好評であれば、積極的に台数を増やしていく考えだ。