カルソニックカンセイ ブース(上海モーターショー2019)《撮影 石川徹》

4月16日に中国・上海市で開幕した上海モーターショー2019。プレスデイの2日目となる17日には、前日の欧米系部品メーカーに続き日系サプライヤーも役員による記者会見を行った。カルソニックカンセイの展示スペースで壇上に立ったベダ・ボルゼニウスCEOは会見の中で、既に発表されているマニエッティ・マレリとの統合を5月までには終える計画だと語った。

そのカルソニックカンセイのブースを見わたすと、「モータースポーツ」、「エネルギーマネージメント」、「キャビンイノベーション」と3つのテーマに分かれている。まず、入り口中央に置かれたマクラーレンF1のマシンが目を惹く。2016年からオフィシャルパートナーとして供給している、ラジエターおよびエンジンオイルクーラーが鮮やかなオレンジ色のマシンと共に展示されていた。その隣に設けられた「エネルギーマネージメント」コーナーには、市販車用の小型オイルクーラーや軽量のエキゾーストマニフォールド、ラジエターをはじめ複数の部品を統合した軽量小型のフロントエンドモジュールなど、カルソニックカンセイの得意とするクルマの効率化に貢献する製品の数々が並べられていた。

しかし、同社の上海モーターショー2019におけるハイライトは、「キャビンイノベーション」セクションに展示されていた「人のことを最大限に考えた」という「Human-Max Cabin」。このコンセプト・キャビンには、ドライバーや同乗者に居心地の良い空間を提供するための様々な機能が備えられている。ドライバーが運転席に座ると、シートに組み込まれたセンサーが体温や脈拍を測定し、健康状態のチェックや体温に応じて快適な空調設定のサポートを行う。運転席から前方を見ると、一般的なフロントガラスではなく、ダッシュボード奥に各種情報が表示される「Wide Horizon HUD(ヘッドアップディスプレイ)」が明るい場所の走行時でも高い視認性を確保している。

また、センターコンソールの表皮をタッチすることでナビゲーションのメニュー操作を可能にする「Anywhere Ex. Hand」は、画面に手を伸ばすことなく、直感的な使用を可能にしている。パワーウインドウや空調はドアの内側に備えられたタッチスクリーンで操作するが、カスタマイズが可能となっており、それぞれの乗員が使いやすいインターフェイスに設定することができるそうだ。

その他、存在を意識させない間接風空調「アンビエント・ベンチレーション」や非常に薄い「Thin Instrument Panel」が実現する広い室内空間により、それぞれの乗員が快適に車内で過ごせるような仕組みが搭載されている。

安全、効率、自動運転が自動車業界の「メガトレンド」と言われている現在。カルソニックカンセイも、得意の熱交換技術やマニエッティ・マレリとの統合を通じた電動化などでそのトレンドを追っていくだろう。その一方で、「Human-Max Cabin」の様に、より一層、快適にクルマの中で時間を過ごすための提案も、自動車用システムサプライヤーには期待したい。

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