フォルクスワーゲン ID.バギー(ジュネーブモーターショー2019)

フォルクスワーゲンは、スイスで開幕したジュネーブモーターショー2019において、EVコンセプトカーの『ID.バギー』(Volkswagen ID. Buggy)をワールドプレミアし、その詳細を発表した。

ID.バギーは1960年代、米国カリフォルニアで流行し、ライフタイルを豊かに彩った「デューンバギー」のコンセプトを受け継いでいる。デューンバギーは、モジュラー構造による高い可変性を備えていた。シャシーは、『ビートル』がベースで、リアに水平対向4気筒エンジンを搭載。当時の小規模な自動車メーカーは、ビートルのシャシーとエンジンの上に、ガラス繊維強化プラスチック製ボディを載せた車を製作し、これらが1960年代のアイコンモデルになった。

およそ50年という時を経て復活したID.バギーは、かつてのデューンバギーと数多くの共通点を持つ。ひとつの大きな塊から削り出したようなクリアなデザインは、バギーを走らせるユニークで自由な雰囲気を表現するもの。風を感じられるように、ルーフとドアはあえて廃した。インテリアには防水性のある素材を用い、耐久性と必要最小限のデザインとした。ID.バギーは2シーター車だが、後席を追加して2+2レイアウトにも変更できる。

◆ボディはシャシーから取り外し可能。カスタマイズの可能性を広げる

アルミ、スチール、プラスチックを組み合わせて製作した複合ボディは、柔軟な可変性を備えている。モジュラー設計により、ボディ上部は「MEB」のシャシー部分から取り外すことができる。フォルクスワーゲンによると、これは小規模メーカーやスタートアップ企業に対する明確な提案だという。

50年前と同じく、フォルクスワーゲンは、ID.バギーを外部メーカーに開放する。その提案とは、ID.バギーをベースにして、EVによる新しい時代のデューンバギーを製作するというものだ。これにより、カリフォルニアのサンタバーバラ、中国の亜龍湾、ドイツのザンクトペーターオルディングといった、各地域の特性に合わせたデザインと設計が可能になると見込む。

ID.バギーは、未舗装路、砂丘、海岸などを走行できるようにデザインされた。フロントフェンダーは、高くせり上がっており、車両の中央部では、低く配したシルパネルがフェンダーラインとつながる。ボディと独立したフェンダー、シルパネル、せり上がったボンネット、高い位置にあるリアエンドが車両全体を取り囲む。それらは、マットな光を放つ「ファーングリーン」に塗装された。

さらに、その下の車両全体を取り囲む部分は、「グレイテックブルー」色のテクスチャー塗装を施した。テクスチャー塗装は、模様やパターンで塗装する特殊な塗装方法だ。これらの2色が、コントラストを演出。ダークブルーの上に、グリーンの部分が浮いているように見えるデザインを狙った。全長は4063mm、全幅は1890mm、全高は1463mm、ホイールベースは2650mmだ。

◆外装に合わせてインテリアはファーングリーン仕上げ。デジタルコックピットも採用

インテリアの特徴は、扱い易さと素材の防水性にある。エクステリア同様、クリーンな表面は耐久性に優れたデザイン。インテリアのすべての要素には、ファーングリーンのボディカラーを取り入れた。シートバックの上部は、ファーングリーンアクセントでカラーコーディネート。インテリアトリムの大部分は、高い強度を持つソフトタッチペイント、グレイテックブルー仕上げだ。この塗装は、海岸での使用や突然の雨にも耐える。運転席と助手席のシートは、一体型だ。ヘッドレストとシートベルトガイドも、シートバックと一体化されている。

ID.バギーには、デジタルコックピットを採用する。マルチファンクションステアリングホイールのバーにスイッチがあり、操作はタッチ(静電容量式)で行う。ただし、誤作動防止のため、操作には一定の力が必要。電話とメディア機能は、照明が付いた部分で操作する。フォルクスワーゲンのデザイナーとエンジニアは、操作方法を直感的に理解できるように設計した。例えば、ステアリングコラム右側の小型ホイールをクリックしてギア(D、N、R)を変更すると、デジタルコックピットにもそのギアの変更が、回転アニメーションで表示される。

◆モーターは最大出力204ps。1回の充電での航続は約250km

ID.バギーの基本となるのは、MEBシャシーだ。車両のフロアには、蓄電容量62kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載する。1回の充電での航続はおよそ250km(WLTPモード)だ。リアに搭載されるモーターは、最大出力204ps、最大トルク31.6kgm。オフロード走行時でも、リアアクスルに充分なパワーを伝達する。0〜100km/h加速は7.2秒、最高速は160km/h(リミッター作動)の性能を発揮する。後輪駆動が標準だが、電動プロペラシャフトによる4輪駆動を実現するため、フロントアクスルにも電気モーターを追加することも可能だ。

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