パナソニックの決算会見の様子。左が梅田博和取締役常務執行役員兼CFO《撮影 山田清志》

パナソニックが2月4日発表した2018年度第3四半期(4〜12月)の連結業績は、売上高が6兆829億円(前年同期比2.9%増)、営業利益が2927億円(同7.5%減)、当期純利益が1737億円(同13.2%減)と増収減益だった。

車載電池事業が円筒形を中心に大きく伸長し、住宅事業も堅調に推移して増収になったものの、米中貿易摩擦の影響を受け、中国の設備投資需要が減速して、家電や部品の販売が低迷して減益となってしまった。昨年11月から中国の設備投資がピタッと止まったそうだ。

先日発表したトヨタ自動車との車載用角形電池事業の合弁会社については、「トヨタから責任を持って推進していくという提案があり、それに賛同した」と梅田博和取締役常務執行役員兼CFOは話し、こう続けた。

「トヨタ傘下での事業を推進することが、パナソニックにとっても社会貢献と事業規模拡大につながる。パナソニック単独ではなしえない生産リソースや技術リソースを集結し、自動車産業全体の電動化を拡大することができる。出資比率は(パナソニック)49%と(トヨタ)51%だが、イコールパートナーという考え方であり、パナソニックにとって、この事業が重点事業であることは変わっていない」

生産した角形電池は、原則としてパナソニックが合弁会社からすべて仕入れ、トヨタをはじめ自動車メーカーに広く販売していく方針で、「他社からも理解を得られるように、高性能な電池をいち早く実現することに取り組む」と述べた。

懸念材料であったテスラ向け電池事業については、量産が立ち上がっており、第2四半期から増販益がかなり大きくなっているそうだ。2019年3月を目標に35GW/hの設備の設置を完了させ、2019年度第3四半期(10〜12月)以降にはフル稼働させる計画だ。

このようにテスラ向け電池事業が軌道に乗りつつあるものの、米中貿易摩擦を背景にした中国経済の低迷によって、通期の業績見通しを下方修正し、売上高を2000億円減額の8兆1000億円(前期比1.5%増)、営業利益を400億円減額の3850億円(同1.2%増)にした。当期純利益については2500億円(同5.9%増)を据え置いた。

「下方修正の要因のほとんどがメカトロニクスによるもので、スマホ向け設備を納入するビジネスにおいて、モーターがかなり落ち込んだ。来期以降も楽観視せずに、こうした状況が続くことを前提にしていく。事業立地そのものを変えていく必要がある」と梅田CFOは強調していた。