今や自動車にとって欠かせない半導体。その半導体ソリューションで定評があるのがロームだ。今回の「オートモーティブワールド2019」でも、その実力を存分に見せつけた格好だった。
「セミコンダクター・ソリューション・フォー・フューチャー・オートモービルズ」をコンセプトにブースをxEV、ボディECU、パワートレイン、ADAS/自動運転システム、LEDランプ、インフォテインメント/クラスターの6つのエリアに分け、xEVの進化に貢献するSiCパワーデバイスやクラスター類などの各種デバイス、あらゆるセンサーの導入を容易にする開発プラットフォームなど、未来のモビリティ社会を支える半導体ソリューションを紹介していた。
なかでも来場者が注目していたのが、特別展示コーナーにあったインパネだ。サイドミラー部と一体になったもので、その画像の鮮明さたるや驚くほどだ。なんでも同社の高精細液晶パネル用チップセットによって、それが可能になっているそうだ。
ただ、すごいのはそれだけではない。この液晶パネルの駆動・制御を行う機能安全導入チップセットも搭載されていて、チップセットを構成する各ICには、想定される故障モードを相互に検出するための機能が盛り込まれているという。
それによって、もし液晶パネルに何も映らないなどの不具合があった場合、どの部分に不具合があったかを液晶パネルに表示してくれるという。ドライバーにとって一番の不安は何が起こったか分からないことだが、この液晶パネルではその不具合の原因が分かり、対応もしやすくなるというわけだ。
ただ、同社は展示したインパネを販売していく計画はなく、あくまでもそこで使われている半導体ソリューションを部品メーカーに売り込んでいく。「半導体だけを展示してもなかなか興味を示してもらえないので、インパネという形にして実際にうちの半導体ソリューションの良さを知ってもらおうと考えたわけです」と同社関係者は話す。
同社はこれからもモビリティ社会を裏方として支え、リードしていく黒子なような存在に徹していく方針だ。ちなみにこのインパネに搭載されている半導体ソリューションが2020年に発売されるクルマに搭載されるそうだ。
ローム、展示したインパネの販売計画なし…オートモーティブワールド2019
2019年01月20日(日) 11時00分
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