デンソーウェーブの「COBOTTA(コボッタ)」《撮影 山田清志》

「ロボデックス2019」の会場でひときわ来場者で賑わっているブースがあった。それはデンソーウェーブで、高さ50cmほどの小型ロボットが約20台展示され、さまざまな作業を行っていた。

そのロボットの名前は「COBOTTA(コボッタ)」。親会社のデンソーと同社が共同開発した“人協働ロボット”だ。デンソーは自社工場における自動車部品製造の生産性向上を目的に50年にわたってロボット開発を手がけてきたが、コボッタにはその間に培ってきた技術や技術者の思いがこめられているという。

最大の特徴は小型で重量がたったの4kgしかないこと。そのため、どこにでも自由に運ぶことができ、すぐに作業を自動化できる。しかも、専門の知識を持たなくても、簡単に操作が可能なのだ。

「これまで人と協調して働くロボットはいろいろと出ていますが、大きくて人に威圧感を与えてしまうものが少なくなかった。コボッタは小さいのでそんな心配はありません。人に安心感を与える大きさで、隣で作業をしても気になりません。それに人になじみやすい形にしています」と同社関係者は話す。

今回の展示では、来場者にいろいろなところを見てもらえるようにと、アカデミック、ラボラトリー、インダストリーといった分野に分けて、さまざまな作業をさせている。例えば、インダストリーでは3色ボールペンを製造する様子を見せたり、ラボラトリーでは食塩を容器からスプーンですくう様子を紹介していた。

同社関係者によると、これから本格的に販売していくとのことで、さまざまな業種の企業に売り込んでいくという。特にターゲットにしているのが、ロボット導入に二の足を踏んでいる中小企業だ。価格もベースモデルが約160万円と導入しやすいようになっている。「人手不足の中小企業にとって、強い味方になると思う」と同社関係者はコボッタの今後の動向に期待を寄せていた。

デンソーウェーブの「COBOTTA(コボッタ)」《撮影 山田清志》 デンソーウェーブの「COBOTTA(コボッタ)」《撮影 山田清志》 来場者でごった返すデンソーウェーブのブース《撮影 山田清志》