日産自動車グローバル本社(参考画像)

東京商工リサーチは11月21日、日産自動車カルロス・ゴーン会長の逮捕を受け、同社グループ取引先を調査、その結果を発表した。

11月19日、日産自動車のカルロス・ゴーン会長が、東京地検に金融商品取引法違反で逮捕された。同会長はフランスのルノーや、三菱自動車工業の会長を兼務していた。調査結果によると、日産自動車グループの取引先総数は仕入先合計が1万1534社(重複除く)、販売先合計は6697社(重複除く)だった。

日産自動車グループと直接取引の1次仕入先は2997社。産業別では、最多は製造業の1312社(構成比43.7%)、以下、卸売業609社(同20.3%)、機械設計業や労働者派遣業のサービス業他504社(同16.8%)と続く。2次仕入先は、1次仕入先の3.1倍の9315社あった。産業別の最多は、製造業の4486社(同48.1%)。次いで、卸売業2809社(同30.1%)で、この2産業で約8割を占めた。販売先では、1次販売先は1,547社、2次販売先は2767社だった。産業別の最多は、1次販売先が小売業421社(同27.2%)、2次販売先がサービス業他593社(同21.4%)だった。

取引先を本社所在地でみると、1次仕入先の最多は東京都803社(同26.7%)、次いで神奈川県の574社(同19.1%)、2都県で全体の4割を占めた。以下、愛知県の382社(同12.7%)、静岡県と大阪府の各177社の順。1次販売先は、東京都と神奈川県が各384社(同24.8%)で最も多かった。以下、大阪府の85社(同5.4%)、愛知県の70社(同2.5%)、山梨県の67社と続く。本社、横浜工場、追浜工場、多くのグループが存在する神奈川県は、1次仕入先で2番目、2次仕入先で4番目、1次販売先で1番目、2次販売先で2番目に取引先数が多い。日産自動車九州(福岡県苅田町)など基幹工場のある九州は、仕入先が少ない。これは、間接的に取引している企業が多く、複層的なサプライチェーンが形成されているためだ。

また、資本金1億円未満(個人企業を含む)の中小企業は、1次仕入先が2997社のうち、2379社(同79.3%)。2次仕入先9315社のうち、6302社(同67.6%)と大半を占めた。

日産自動車は2017年9月に完成検査での不適切取扱いが発覚し、2018年7月にも自主点検の完成検査時の排出ガス測定でも不適切な行為が判明した。そして、今回の相次ぐ不祥事で海外からも動向が注目されている。

日産自動車グループの取引先(産業別) 日産自動車グループの取引先(地区別)