今年7月の豪雨災害によって崩落した道路に乗用車が進入し、崩落箇所に転落する事故が起きた。手前の区間が補修された際に通行止めが誤って解除されてしまったとみられ、2人が負傷している。

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19日午前11時40分ごろ、福岡県嘉麻市内の市道を走行していた乗用車が、路面崩落した斜面に転落する事故が起きた。この事故でクルマに乗っていた2人が負傷した。何らかの理由で通行が規制されていなかったという。

福岡県警・嘉麻署によると、現場は嘉麻市桑野付近で幅員約3.5mの直線区間。乗用車は山間部を通る市道を走行していたが、前方の路面が大きく滑落していることに気づかず進入。そのまま約5m下まで転落した。

転落によってクルマは中破。運転していた糸田町内に在住する77歳の女性と、同乗していた83歳の男性は自力で車外に脱出したが、打撲などの軽傷を負って近くの病院へ収容されている。

崩落箇所は20mほどの長さ。今年7月の豪雨災害で複数箇所で滑落していたが、道路管理者の嘉麻市が手前の地点から通行規制を行い、修復作業を進めていた。

8月には約180m手前の崩落箇所を応急的に修復したが、この際に通行を規制する三角コーンを撤去してしまい、以降はクルマが通れる状態となっていた。また、現場はクルマの進行方向へ上り勾配となっており、手前からは崩落している路面の様子が見渡せなかったという。

警察は7月にこの道路が崩落していた事実を把握していなかった。警察では市からの連絡体制に不備があったものとみて、関係者からも事情を聞くとともに、事故発生の経緯を詳しく調べている。

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現場は交通量の少ない区間であり、ゆえに道路管理者である市側は警察に崩落の事実を伝えていなかったようだ。手前の区間を補修した際、工事車両の出入りを行うために通行規制を解除し、そのままにしていたとみられる。