スズキ相良工場(参考画像)

スズキは8月8日、完成車の燃費・排ガスの抜取検査において、四輪車6401台で不適切な取扱いがあったと国土交通省に報告した。

国土交通省は7月9日、燃費・排ガスの抜取検査で、スバル、日産自動車の不正が発覚したことを受け、自動車メーカー、輸入車業者に不正がないか調査・報告するよう求めていた。

スズキは湖西、相良、磐田の四輪各工場を対象に、燃費・排ガスの抜取検査に関し検査成績書や測定装置に残されているデータについて、関係者へのヒアリングを含め調査を実施。その結果、排出ガス・燃費試験のモードに合わせられず車速が規定の範囲から逸脱し、その逸脱時間が許容範囲を超えた(トレースエラー)ため本来無効とすべき試験結果を、有効なものとして処理した事案があることが判明した。

試験対象車両は、現行車がアルト、ラパン、ワゴンR、ハスラー、スペーシア、ジムニー、ジムニーシエラ、SX-4 Sクロス、エスクード、バレーノ、スイフト、スイフトスポーツ、ソリオ、イグニス、クロスビー、 キャリイ、エブリイの17車種、生産終了車は旧アルト、旧ラパン、旧ソリオ、MRワゴン、旧ワゴンR、旧スペーシア、スプラッシュ、旧スイフト、キザシ、旧SX-4、旧ジムニー、旧ジムニーシエラ、エスクード2.4の13車種、合計30車種1万2819台。そのうち49.9%にあたる6401台で不適切な処理が判明した。

なおスズキでは、諸元値に対し一定の余裕を持った管理基準値を定め、抜取試験の平均値が管理基準値を満たすことを確認しており、今回の問題による量産車の排出ガス・燃費への影響はないとしている。

スズキでは不正防止対策として、8月7日付けで各工場に排出ガス・燃費抜取検査担当の管理職を配置。また、7月30日に各試験のトレースエラーを複数の検査員でチェックして判定結果を検査成績書に記載するよう作業要領を見直した。さらに、8月末までに測定値の書き換えができないよう測定装置を改修した。